総義歯製作におけるデジタルワークフローと従来法との比較:時間効率と費用対効果の分析

デジタルワークフローによる総義歯製作:時間効率と費用対効果の分析

ブラジルの研究者たちは、総義歯製作におけるアナログ手法と3Dプリントを用いたデジタルワークフローを比較し、その時間効率、費用対効果、および患者満足度と口腔関連QOLへの影響を評価しました。デジタルワークフローは臨床・技工時間と治療コストを削減する可能性があり、これらの効率性が患者のアウトカムに影響を与えないかどうかが検証されました。

研究方法

この研究は、23人の無歯顎患者を対象とした臨床試験に基づく経済評価です。各参加者は、従来の総義歯と3Dプリントされた総義歯の両方を受け取り、装着順序はランダムに割り当てられました。

  • 従来のプロトコル:5回の臨床受診が必要でした。
  • デジタルワークフロー:3回の臨床受診で完了しました。
  • 研究者らは、消耗品、臨床および技工の労働時間を考慮して、各タイプの義歯を製作するためのプロバイダーコストを算出し、患者報告アウトカム(患者満足度および口腔関連QOL)との比較を通じて費用対効果を評価しました。

主要な結果

  • 時間とコストの削減: デジタルワークフローは、臨床時間を約50%(約89分)、技工時間を73%以上(約412分)削減しました。これにより、プロバイダーコストはデジタルワークフローで約36%低減され、1症例あたり約152米ドル(131ユーロ)の節約となりました。
  • 患者アウトカム: 全体的な患者満足度または口腔関連QOLにおいて、両手法間に有意な差は見られませんでした
  • 費用対効果: デジタルアプローチは、より低コストで実質的に少ない臨床・技工時間で同等の患者報告アウトカムを提供するため、費用対効果の高い選択肢であると結論付けられました。この経済的優位性は、治療コストや患者報告アウトカムが変動する可能性を考慮しても頑健であることが示唆されました。

結論と意義

この研究結果は、多数の無歯顎患者を治療する歯科医院や技工所にとって、個々の治療経路の短縮だけでなく、臨床および技術能力の解放につながることを示しています。また、診察回数が5回から3回に減少することは、繰り返しの受診が追加の負担となる高齢患者にとって特に重要であると指摘されています。

本研究の知見は、2025年に発表されたシステマティックレビューを含む過去の研究と概ね一致しており、デジタル総義歯ワークフローの主な利点が、患者報告アウトカムを損なうことなく達成できるという、前向き臨床エビデンスを追加するものです。

この研究は「3D-printed versus conventionally fabricated complete dentures: Time-efficiency and cost-effectiveness analysis」と題され、Journal of Dentistryの2026年12月号にオンライン掲載されました。

元記事:3D-printed dentures put to the test on efficiency and patient outcomes