障害を持つ人々の口腔ケア:Dentsply Sironaの取り組みと教訓
Dentsply SironaのChristine Schwendner氏は、障害を持つ人々が直面する口腔ケアへの障壁(アクセス困難な施設、訓練を受けた臨床医の不足、スティグマ)について語り、同社がスペシャルケアデンティストリー(SCD)を支援する理由を説明しています。世界人口の約16%が障害を抱えており、多くの歯科医院が車椅子に対応していない現状や、歯科教育におけるこの分野の盲点が指摘されています。Dentsply Sironaは、1,000以上の大学・クリニックプロジェクトの経験を活かし、大学と連携してこの問題に取り組んでいます。
アクセシビリティを向上させる環境構築の重要要素
SCD向けクリニック開発の経験から、必要な変更のほとんどは比較的軽微であり、一般診療でも応用可能であることが判明しています。
- 患者の不安軽減: ニューヨーク大学の口腔健康センターでは、クッション、音楽、照明を備えたマルチセンサリールームを設置し、治療前のリラックスを促しています。各治療室への統合も可能です。
- 環境設計の見直し:
- 標準的な受付デスクでは車椅子利用者がスタッフとアイコンタクトを取れないため、高さの調整が必要です。
- 視覚障害者のための床面触覚誘導システム。
- 治療室では、器具をキャビネットに隠し、患者が落ち着いてから機器を出す。
- 防音対策で安全と快適な雰囲気を作る。
- レプリカ治療室で、患者が治療のプレッシャーなしに環境に慣れる機会を提供する。
- 車椅子対応の治療室: ペンシルベニア大学のケアセンターでは、車椅子から移動できない患者のために、三関節式ヘッドレスト付きの歯科用チェアを導入し、車椅子に座ったまま快適に治療を受けられるようにしています。
- デジタルデンティストリーの活用: チェアサイドのデジタルワークフローは、来院回数を減らし、患者の移動に伴うストレスと負担を軽減します。
- 施設の配置: 1階に施設を設けることで、出入りが容易になります。
歯科教育におけるSCDの統合
歯科訓練中に障害を持つ患者との接点が少ないことが、ケア提供の障壁となっています。Dentsply Sironaの経験では、SCDクリニックで働く学生は、これらの患者との仕事を楽しんでおり、経験を増やすことで不確かさが減り、自信が構築されることが示されています。これにより、卒業生が自身の診療で障害を持つ人々をケアする可能性が高まります。これは、SCDを歯科教育の標準的な一部とすべき強力な理由です。
SCDを主流化するためのパートナーシップと業界の責任
- 学術・臨床パートナーシップ: ニューヨーク大学やペンシルベニア大学でのプロジェクトは、臨床教育者、建築家、業界パートナーの緊密な連携によって実現され、他の機関にインスピレーションを与えています。
- 専門家レベルの教育: 2024年には国際障害・口腔保健協会(iADH)と4年間のパートナーシップを締結し、口腔ケアへのアクセス向上と口腔健康改善を推進しています。これには、学部課程へのSCD組み込みに関するウェビナーや、SCDに関するグローバルデジタルイベントの開催が含まれます。
- 業界の責任: Dentsply Sironaは、技術・設備の提供を超え、より包括的なアプローチを推進する機会があると考えています。業界全体として、より可視性を高め、歯科学校がSCDのトレーニング、インフラ、臨床プログラムに投資するための説得力のあるビジネスケースを構築するのを支援する必要があります。障害を持つ人々の数は増加しており、彼ら全員が口腔ケアへのアクセスを必要としています。Dentsply Sironaは、会議や業界イベントでこのトピックを強調し、より多くの機関が専門プログラムを設立し、業界全体が関与するよう促すことを望んでいます。
元記事:“Our hope is that we continue to raise awareness about caring for patients with disabilities”