議員超党派、医師・看護師不足緩和のためグリーンカード(永住権)ビザの活用を目指す法案を再提出

医療従事者不足解消へ、未使用グリーンカード再配分法案が復活

米国で超党派の議員グループが、未使用のグリーンカードを外国人医師・看護師に割り当てる法案「Healthcare Workforce Resilience Act」を再提出しました。これは、現在の移民制限が米国の医療従事者不足に影響を与えている中で提案されています。

法案の概要と目的

この法案は、過去32年間で議会が承認しながら未使用となっている永住権ビザ(グリーンカード)を「再取得」することを目的としています。

最大15,000件を移民医師に、最大25,000件を移民看護師に割り当てるとされています。

これにより、外国人医師が米国で永続的に就労しやすくなり、医療従事者不足の緩和を目指します。

法案は2020年にCOVID-19パンデミック時の医療従事者不足を補う政策として初めて提案されました。

移民政策との矛盾と複雑性

この法案は、トランプ政権がH-1Bビザ(一時滞在ビザ)に対し10万ドルの手数料を雇用主に義務付ける新政策を導入している時期に提出されました。H-1Bビザは通常数千ドルの手数料で、3年ごとの更新が必要ですが、グリーンカードは永住権を付与します。

この相反する動きは、移民政策の複雑さと、移民や医療従事者不足への対応に関する共和党内の意見の相違を浮き彫りにしています。

H-1Bビザは、特に地方や過疎地域の病院で高度なスキルを持つ医師を招くために頻繁に利用されています。

トランプ政権はH-1Bビザ手数料から医師を除外する可能性も示唆していますが、具体的な措置はまだありません。

また、J-1ビザ(国際医師が米国の研修プログラムに参加するための短期ビザ)の面接一時停止や期間設定の検討も行われています。

議会での見込みと外国人医師の重要性

現在の議会の党派対立を考慮すると、いかなる移民法案も成立には困難が伴うと見られています。

しかし、この法案は「包括的な移民改革法案ではなく、経済に必要な熟練医師を増やすことに特化した常識的な解決策」として評価されています。

米国では、病院の医師の27%を移民が占めており、国際的な医学部卒業生はプライマリケアや地方・過疎地域での勤務が多いことがデータで示されています。

外国人医師が米国人医師の職を奪っているという証拠はありません。

移民制限による医療への懸念

米国医師会(AMA)は、H-1BやJ-1ビザに対する移民制限が続けば、現在の医師不足がさらに悪化すると懸念しています。

  • 2036年までに約86,000人の医師不足が予測されており、これらの移民障壁が加われば、この不足はさらに深刻化すると見られています。

元記事:Federal Bill Would Free Up Visas to Ease Physician Shortage