妊娠中の胆石性急性膵炎における胆嚢摘出術とERCPの安全性・有効性
研究の背景と目的
妊娠中の胆石性急性膵炎(AP)に対する胆嚢摘出術の最適なタイミングは不明確であり、臨床医はしばしば手術をためらう傾向がある。本研究は、妊娠中の胆石性AP女性における胆嚢摘出術と内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)の安全性と有効性を評価するための国際後方視的多施設コホート研究である。
研究方法
2011年1月以降に治療を受けた胆石性APの妊婦101名が研究対象となった。このうち86%が軽度APであり、9%が中等度、5%が重度APであった。
主な結果
胆嚢摘出術の有効性: 胆嚢摘出術を受けたグループでは、1年以内に胆道系合併症による再入院が皆無であったのに対し、胆嚢摘出術を受けなかったグループでは24%が再入院した。再入院の主な原因は、AP再発、胆嚢炎、胆管炎であった。
安全性:
早産率は、胆嚢摘出術グループと非胆嚢摘出術グループ間で有意な差は認められなかった。
胎児損失率は、胆嚢摘出術グループで非胆嚢摘出術グループよりもわずかに高かった(18% vs 2%; P = .050)。しかし、これらの胎児損失は全て妊娠初期に処置が行われた場合に発生していた。
ERCPの実施は、再入院、胎児損失、早産率に影響を与えなかった。
妊娠中のERCPと胆嚢摘出術の間で、再入院、早産、胎児死亡率は同程度であった。
臨床的示唆
軽度の胆石性APの妊婦に対して、胆嚢摘出術は妊娠中期および後期に安全に実施可能であり、ERCPは全ての妊娠期間を通して安全に実施可能である。
研究の限界
本研究は後方視的であるため、併存疾患、社会経済的状況、栄養、麻酔法、産科管理戦略などの交絡因子が十分に捕捉されていない可能性がある。また、国際多施設研究であるため、手術時期、ERCPプロトコル、産科支持療法にばらつきがあり、結果に影響を与えた可能性がある。長期的な発達上の転帰は評価されていない。
元記事:Cholecystectomy Safe During Late Pregnancy in Biliary AP
