免疫システムが自己攻撃を防ぐ仕組みを解明した研究者らがノーベル賞を受賞

免疫システムが自己攻撃を防ぐ仕組みを解明した研究者らがノーベル賞を受賞

2025年ノーベル生理学・医学賞、免疫系の自己攻撃防御メカニズム解明で3氏に

2025年のノーベル生理学・医学賞が、免疫系が自身の体を攻撃するのを防ぐ仕組みを解明した3人の免疫学者に授与されました。この発見は、新たな治療法への道を開くものです。

制御性T細胞の発見とその重要性

受賞したのは、免疫学者のメアリー・ブランコウ氏、フレッド・ラムズデル氏、そして坂口志文氏です。彼らは、免疫系のバランスを保ち、体が自身を傷つけるのを防ぐ「制御性T細胞」と呼ばれる特殊な免疫細胞のグループを発見しました。彼らの研究は、免疫系がどのように機能するかの鍵となる部分を明らかにしました。ノーベル委員会のオッレ・ケンペ委員長は、「彼らの発見は、免疫系がどのように機能し、なぜ私たちが皆、深刻な自己免疫疾患を発症しないのかを理解する上で決定的なものでした」と述べています。

受賞者の功績と研究の経緯

3人の科学者は、1100万スウェーデンクローナ(約110万ドル)を分け合います。ブランコウ氏はシアトルのInstitute for Systems Biology、ラムズデル氏はサンフランシスコとシアトルのSonoma Biotherapeutics、坂口氏は日本の大阪大学に所属しています。

坂口氏は1990年代に、新生マウスから胸腺を除去すると免疫系が自身の臓器を攻撃することを発見しました。その後、現在制御性T細胞として知られる少数の細胞が、免疫系が攻撃するのを止めることを突き止めました。

2001年には、ブランコウ氏とラムズデル氏が、これらの制御性細胞が適切に発達するのを助けるFoxp3遺伝子を特定しました。この遺伝子が損傷すると、免疫系は体の組織を攻撃し始める可能性があります。ブランコウ氏は、「その正確な変異にたどり着くのは、本当に分子的な根気が必要な作業でした。免疫系に非常に大きな変化をもたらす、ごく小さな遺伝子変異だったのです」と説明しています。

今後の医療への影響

これらの受賞者の研究は、自己免疫疾患、がん、臓器移植後の合併症の治療を目的とした新たな研究分野へとつながっています。Sonoma BiotherapeuticsのCEOであるジェフ・ブルーストーン氏は、「これらの細胞を操作して、強力で特異的な治療法にすることができる能力こそが、この分野の真の可能性です」と語っています。

今回の受賞を「嬉しい驚き」と呼んだ坂口氏は、今後もがんとの闘いを助けるために免疫応答を微調整する方法を探求し続ける計画です。

元記事:Researchers Win Nobel Prize for Uncovering How the Immune System Protects Itself