PfizerのHER2阻害剤Tukysa、HER2陽性転移性乳がんの初回維持療法でPFS改善
第3相試験「HER2CLIMB-05」で良好な結果
Pfizerの小分子HER2阻害剤Tukysa(tucatinib)が、HER2陽性転移性乳がんの初回維持療法として、良好な第3相試験結果を示しました。これにより、同薬の適応拡大と採用拡大の可能性が高まっています。
「HER2CLIMB-05」試験の結果によると、導入化学療法後のHER2陽性乳がんの初回維持療法(トラスツズマブとペルツズマブ)にTukysaを追加することで、プラセボと比較して無増悪生存期間(PFS)が改善しました。
早期使用への期待と売上向上の可能性
現在Tukysaは、術後不能なHER2陽性乳がんの二次治療以降、および治療済みHER2陽性転移性結腸直腸がんに対して承認されています。今回の結果は、より早期の治療段階でのTukysaの使用を可能にする可能性があります。
Pfizerは2023年にSeagenを430億ドルで買収しTukysaを取得しましたが、その売上は上半期で2億3,400万ドルと伸び悩んでいました。この新規データは、競争の激しい市場においてTukysaの地位を向上させる契機となりえます。
競合と今後の展望
AstraZenecaと第一三共のHER2標的ADC Enhertu(trastuzumab deruxtecan)がHER2陽性乳がん市場で強力な競合となっており、上半期で約23億ドルの売上を記録しています。Enhertuも初回治療への進出を検討中です。
PfizerはTukysaをさらに早期の乳がん(高リスクHER2陽性乳がんの術後補助療法)へも拡大することを目指し、治験を進めています(CompassHER2 RD試験)。
