この記事のポイント
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どんな量のアルコール摂取でも血圧上昇につながる可能性があり、少量の飲酒でも血圧に悪影響を与える。
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飲酒をやめるか、量を減らすことで血圧が低下し、心臓病や脳卒中のリスクを低減する可能性がある。
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アルコールの種類(ビール、ワイン、ハードリカーなど)は関係なく、摂取したアルコールの量が血圧上昇に影響する。
アルコール摂取は血圧上昇につながる:新研究が示す
2025年10月23日、新しい研究により、どんな量のアルコール摂取でも血圧を上昇させる可能性があることが示されました。Journal of the American College of Cardiology誌で発表されたこの研究結果は、わずかなアルコール摂取量の増加でさえ、より高い血圧と関連していると報告しています。
従来の認識への挑戦
これまでの研究では、少量の飲酒は血圧に大きな影響を与えないと考えられていましたが、本研究はこれに異を唱えています。主任研究者の鈴木貴大医師は、「血圧に関して言えば、飲む量が少ないほど良い。アルコールを多く飲むほど、血圧は高くなる」と述べています。「過去には少量のアルコールは問題ないと考えられていたが、我々の結果はアルコールを飲まないことが最も良いことを示唆している」としています。
研究の詳細
研究チームは、2012年から2024年にかけて聖路加国際病院で行われた約36万件の年間健診データを分析しました。約5万9千人の患者を、最初の健診時に飲酒者であったグループと非飲酒者であったグループに分け、飲酒を中止した飲酒者と飲酒を開始した非飲酒者の血圧への影響を調査しました。
血圧への具体的な影響
結果として、飲酒量を減らすにつれて血圧が低下することが示されました。
女性:1日1~2杯の飲酒を止めた場合、収縮期血圧が約0.8 mmHg、拡張期血圧が1.1 mmHg減少。
男性:飲酒を止めた場合、収縮期血圧が1.0 mmHg、拡張期血圧が1.6 mmHg減少。
逆に、飲酒を開始した人々は血圧が上昇する傾向が見られました。
アルコールの種類と量
研究では、ビールの種類、ワイン、ハードリカーといったアルコールの種類に関わらず、摂取量が血圧に影響を与えることが判明しました。
専門家のコメント
イェール大学医学部のハーラン・クラムホルツ教授(本研究には関与せず)は、「これらの知見は、低レベルからの禁酒でさえ、高血圧を予防または治療できる可能性を示唆している」とコメントしています。これは、血圧の治療目標が引き下げられている現状において特に重要であると付け加えています。
元記事:Any Drinking Can Cause Blood Pressure To Increase, Study Says
