入院中の低侵襲胆嚢摘出術における外科的安全性の大幅な向上と術後処置の増加
概要
2011年から2021年にかけて、入院中のメディケア受給者が受けた低侵襲胆嚢摘出術において、外科的安全性は大幅に向上しました。胆管損傷や術中出血などの合併症発生率は減少しています。しかし、この期間中に術後の経皮ドレナージおよび内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)の使用は著しく増加しました。
研究方法
胆嚢摘出術は一般的な手術であり、全体的な罹患率は10%〜20%、胆管損傷は約0.3%と報告されています。しかし、米国における入院中の低侵襲胆嚢摘出術のアウトカムに関する長期的なデータは限られていました。
本研究は、2011年から2021年までのメディケアfee-for-service請求データを用いた後方視的コホート研究です。診断コードと処置コードを用いて特定された、低侵襲(腹腔鏡またはロボット支援)胆嚢摘出術を受けた516,372人のメディケア受給者(平均年齢74.8歳、女性52.4%)が対象となりました。
アウトカム指標には、入院期間、30日以内の再入院、合併症、重篤な合併症(合併症の発生と入院期間が75パーセンタイルを超えるもの)、30日死亡率、院内死亡率が含まれました。合併症には、術中出血、術後輸血の必要性、経皮的腹部ドレナージ、尿路感染症、深部静脈血栓症、1年以内のERCP、1年以内に肝空腸吻合術または総胆管空腸吻合術による外科的修復が必要な胆管損傷が含まれます。
主な結果
合併症率の減少:
調整済みの全体的な合併症率は、2011年の21.5%から2021年には16.5%に減少しました(95% CI, 21.3%-21.7% vs 16.4%-16.7%; P < .001)。
重篤な合併症率は、同期間に12.3%から7.0%に減少しました(95% CI, 12.2%-12.5% vs 6.9%-7.1%; P < .001)。
特定の合併症率の減少:
リスク調整済みの術中出血率は、1.07%から0.54%にほぼ半減しました(P < .001)。
輸血率は5.47%から1.87%に減少しました(P < .001)。
胆管損傷率は0.19%から0.12%に減少しました(P = .001)。
術後処置の増加:
リスク調整済みの術後経皮ドレナージ率は、1.32%から2.91%に増加しました(95% CI, 1.26%-1.37% vs 2.81%-3.01%; P < .001)。
1年以内のERCPの使用率は、11.21%から15.26%に増加しました(P < .001)。
考察と提言
研究著者らは、「これらの結果は、集合的な外科的品質改善努力による進歩を反映しており、胆嚢摘出術の安全性を引き続き向上させるための、術後経皮ドレナージやERCPの使用増加の理解といった将来のイニシアチブへのロードマップを提供する」と述べています。招待論評の著者も「Mullensらは、入院中の低侵襲胆嚢摘出術後のアウトカムの進化を強調する、時宜を得た奨励的な研究を提示している」と付け加えています。
研究の限界
本研究の結果は、研究された入院環境における選択バイアスによって影響を受けている可能性があり、アウトカムの実際の品質改善を過小評価している可能性があります。堅牢な調整と長期トレンドデータにもかかわらず、残存交絡の可能性が残ります。また、2020年から2021年の期間はパンデミックの影響を反映している可能性もあります。
元記事:Cholecystectomy Outcomes Improve Despite Patient Complexity