MEN1患者における下垂体腺腫のリスク因子を特定
研究の概要
多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)患者において、下垂体腺腫の発症リスク因子を特定するため、スペインの研究者らが57の無関係な家族から得られた240人のMEN1患者を対象にレトロスペクティブコホート研究を実施しました。MEN1は、原発性副甲状腺機能亢進症、膵消化管神経内分泌腫瘍、下垂体腺腫の主要な3病変のうち少なくとも2つが存在する場合に診断されました。
主な研究結果
コホート全体で112人(46.6%)の患者に下垂体腺腫が診断されました。診断時の平均年齢は36.1歳で、54.5%が女性でした。
これらの腫瘍は平均50歳で50%の浸透度を示し、プロラクチン産生腫瘍と微小腺腫が主なタイプでした。
MEN1診断前に41人の患者が下垂体腺腫と診断されており、残りの199人のうち71人が追跡期間中に下垂体腺腫を発症しました。
独立したリスク因子
下垂体腺腫発症の独立したリスク因子として以下が特定されました。
年齢:1歳増加するごとにリスクが低下(調整ハザード比 [aHR] 0.916; P < .001)。
原発性副甲状腺機能亢進症の既往:リスクが約3倍に増加(aHR 3.090; P < .001)。
非ミスセンスMEN1病原性変異:リスクが約2倍に増加(aHR 1.976; P = .018)。
- 女性であること:リスクが約1.7倍に増加(aHR 1.706; P = .022)。
また、26歳未満でMEN1と診断されることも下垂体腺腫発症リスクの増加と関連していました。
臨床的意義と限界
本研究の結果は、患者への個別のリスク説明や、個別化された下垂体腺腫スクリーニング戦略の策定に役立つ可能性があります。ただし、本研究はレトロスペクティブであり、単一の全国レジストリからのデータに基づいていること、データ収集のばらつき、MRI技術の進歩が微小腺腫の検出率に影響を与えた可能性などが限界として挙げられます。
元記事:What Drives Pituitary Tumour Risk in Rare Endocrine Issue?