ACIP、COVIDワクチン接種に「共有意思決定」を推奨
米国CDCのワクチン諮問委員会(ACIP)は、COVIDワクチン接種に関して、医療提供者と相談し、利益がリスクを上回るかどうかを判断する「共有意思決定」を全会一致で推奨した。この勧告は、特に重症化リスクが高い個人に最も利益があることを強調している。
勧告の概要と保険適用
ACIPの勧告により、COVIDワクチンは引き続き連邦プログラム(VFCプログラム、CHIP、Medicaid、Medicare、連邦医療保険マーケットプレイス)および保険会社によって費用負担なしでカバーされる。AHIP(最大の保険会社団体)は、9月1日時点で推奨されていた全てのACIP推奨予防接種(COVID-19およびインフルエンザワクチンを含む)を引き続きカバーすると表明している。
従来の推奨からの変更点
この共有意思決定の推奨は、18〜64歳には1回以上、65歳以上には2回以上のワクチン接種を推奨していた従来の成人向け予防接種スケジュールからの変更である。これは、免疫不全のない6ヶ月〜12歳の小児に対して共有意思決定を推奨する小児予防接種スケジュールに類似している。
ワクチン安全性・有効性に関するパネル内の意見対立
ACIPパネル内では、2つのメッセンジャーRNA(mRNA)ベースのCOVIDワクチンの安全性と有効性について意見が分かれた。
mRNAワクチンへの懸念表明
ACIP作業部会の議長を務めたMIT Sloan School of ManagementのRetsef Levi氏は、CDCが発行するCOVIDワクチン情報シートを更新し、ワクチンが将来の感染に対する脆弱性、免疫系の変化、症候性および無症候性心筋炎による死亡、「長引くCOVID」に似た接種後症候群、妊産婦死亡を引き起こす可能性を示す情報を含めるべきだと主張した。
CDC専門家および他委員からの反論
これに対し、CDCの専門家は、入院や重症化に対するワクチンの長期にわたる安全性と有効性に関する詳細な分析を提示した。また、Donald and Barbara Zucker School of MedicineのHenry Bernstein博士らは、Levi氏の主張を反論し、「COVID-19ワクチンは非常に安全で効果的、あるいは効果がある」と述べた。Bernstein博士はまた、共有意思決定と処方箋の必要性が、ワクチン接種を受けるための不要な障壁を作り、高リスク者を効果的に対象としない可能性についても警告した。
COVIDワクチン処方箋義務化の議論と結果
COVIDワクチンに処方箋を義務付けるべきかについて、ACIPパネルは6-6で意見が割れたが、議長のMartin Kulldorff氏が反対票を投じ、処方箋の義務化は否決された。処方箋義務化は、ワクチンのアクセスを著しく制限するとの懸念が表明された一方、資格のある医療提供者との議論に基づく評価が必要だという意見もあった。
その他のワクチンに関する議論
ACIP会合では、COVIDワクチン以外にも複数のワクチンに関する議論が行われた。
MMRV混合ワクチン
委員会は、4歳未満の小児への初回接種としてのMMRV(麻疹、おたふく風邪、風疹、水痘)混合ワクチンの使用には反対したが、VFCプログラムの対象となる小児への使用は支持した。しかし、投票内容について混乱が生じ、2日目に再投票が行われた結果、4歳未満でVFCプログラム対象の小児にはMMRVを使用すべきでないという結論に至った。
乳児へのB型肝炎ワクチン接種
乳児へのB型肝炎ワクチン接種時期の変更に関する投票は延期された。CDC専門家は1991年以来の出生時接種が急性B型肝炎感染の急激な減少につながったと述べたが、一部の委員は新たなデータがないにもかかわらず安全性について議論し、国民のワクチン政策への懸念を理由に再検討を求めた。