歯科医院でのHIV検査の実現可能性と世界のHIV/AIDS対策の現状
英国の歯科医院におけるHIV検査の実現可能性調査
英国ではHIV感染者の約5%が未診断であり、約半数が診断遅延している現状を受け、UKの研究チームは歯科医院での迅速なHIVポイントオブケア検査の受容性と実現可能性を調査しました。ロンドン市内の4つの歯科医院(コミュニティ歯科サービス、NHS一般歯科、私立歯科クリニック)で2019年5月からオプトアウト方式の検査プログラムを実施。
合計441人の患者に検査を提案し、211人が同意、306人がアンケートに回答しました。
- 結果:
- 新たな未診断HIV感染は見つかりませんでした。
- 若年層(特に20代)で最も受検率が高く、60~69歳が最も低かったです。
- 黒人、アジア人、その他のマイノリティ民族の患者は白人患者よりも有意に検査を受け入れました。
- コミュニティ歯科サービスやNHS診療所を利用する患者の3分の2が検査に同意したのに対し、私立歯科では3分の1強でした。
- ほとんどの回答者が歯科医院でのHIV検査を有益と感じ、すべての歯科医院で提供されるべきだと考えました。
- 検査に同意した患者の約3分の1は、以前にHIV検査を受けたことがないと報告しました。
- 結論: 患者からの高い受容性にもかかわらず、研究者らはコスト、人材確保、介入の忠実性といった課題から、大規模な試験やこの特定の検査モデルの普及は「大規模なシステム変更なしには非現実的」と結論付けました。この研究は「Point-of-care HIV testing in UK dental settings: Outcomes of a feasibility and acceptability study」と題され、2025年11月21日にBritish Dental Journalにオンライン掲載されました。
UNAIDSによる世界のHIV/AIDS対策の深刻な後退
世界エイズデーに先立ち、UNAIDSは「Overcoming Disruption, Transforming the AIDS Response」と題する報告書を公開し、2025年における世界のHIV/AIDS対策が「過去数十年間で最も深刻な後退」に直面していると警告しました。国際的なHIV資金の大幅な削減(外部保健支援が30〜40%減少と推定)が、低・中所得国におけるコミュニティ主導のサービスやHIV予防サービスに甚大な影響を与えています。
- 主な懸念事項:
- 予防薬へのアクセスが大幅に減少し、保護ギャップが拡大。
- 2024年には15~24歳の少女・女性で1日あたり約570件の新規HIV感染が推定されるにもかかわらず、青少年少女向けプログラムが廃止された地域も多い。
- コミュニティ主導および女性主導の組織が主要な対象集団へのサービスを停止または閉鎖。
- 現状: 現在、HIV/AIDSと共に生きる人々は4,080万人で、昨年は130万件の新規感染が記録されました。
- 将来の予測: 2030年のグローバルエイズ戦略目標を達成できない場合、2025年から2030年の間に330万件の追加新規感染が発生する可能性があります。
- UNAIDSの呼びかけ: グローバルリーダーに対し、国際的な連帯を再確認し、健康の基本的人権を擁護するよう強く求めています。UNAIDS事務局長のウィニー・ビャニマ氏は、「予防を強化しなければ、新規感染者が増加する可能性がある」と述べ、「エイズを終わらせるという共通のビジョンのもとに団結するか、それとも長年の努力が台無しになるのを許すか、今が選択の時だ」と強調しました。
元記事:Study investigates chairside HIV testing in London dental clinics