若年患者における審美的なレジン接着ブリッジの製作:低侵襲アプローチ
歯科治療において、様々な治療選択肢の中から患者の要望に応えつつ、シンプルで効果的な解決策を見つけることが重要である。本記事では、若年患者の審美的要望に応えるため、先進的な材料とデジタル技術を組み合わせたレジン接着ブリッジの症例を紹介する。
症例提示と治療計画
20代前半の男性患者が、先天性下顎中切歯欠損のために数年間使用していた二重リテーナー型レジン接着ブリッジの審美性向上を求めて来院した。既存のブリッジは機能的には問題なかったものの、天然歯の色調に合わせたより審美的な解決策を希望していた。
臨床的・X線評価後、患者の年齢、骨量、審美的期待を考慮し、いくつかの治療選択肢が検討された。最終的に、デザインと色調を最適化した新しいレジン接着ブリッジを、自然な結果を得るために多層ジルコニアを使用して製作する決定がなされた。
歯科医院での前処置
治療前の既存ブリッジの印象採得には、iTero Element 5D Plus口腔内スキャナーが使用された。これにより、既存の補綴物の体積や形状、摩耗面をデジタルデータとして取得し、後の調整を最小限に抑えることが可能となる。既存のブリッジを除去した後、支台歯は可能な限り低侵襲に形成され、再度口腔内スキャンが行われた。
レジン接着ブリッジの製作
スキャンデータはdesign4meプラットフォーム(DIGISMILE)に直接送られ、新しいブリッジのデジタルデザインがexocadソフトウェアを用いて行われた。また、セメンテーション時の正確な装着を可能にするリポジショニングキーも設計された。
材料には、優れた物理的・審美的特性を持つ多層ジルコニアであるKATANA Zirconia YML(シェードB1、Kuraray Noritake Dental)が選択された。このジルコニアは、色調の半透明性と曲げ強度のグラデーションが特徴である。製作センター(DIGISMILE)では、歯科技工士が設計したSTLファイルに基づいてブリッジがミリングされ、リポジショニングキーはサージカルガイドレジンを用いて3Dプリントされた。研磨、表面仕上げ、ステイニングも行われた。
歯科医院での最終装着
接着性セメンテーションは全工程で最も重要なステップの一つである。ブリッジの試適が成功した後、防湿と理想的な接着条件の確立に重点が置かれた。唾液吸引装置、綿栓、可能であればラバーダムによる厳密な作業野の隔離が不可欠である。
歯質の前処理
エナメル質に限定された歯質形成であったため、以下の接着プロトコルが採用された。
リン酸によるエナメル質表面のエッチング(30秒)。
徹底的な水洗と乾燥。
PANAVIA V5 Tooth Primer(Kuraray Noritake Dental、MDP含有)の塗布と乾燥。
ブリッジ翼部の前処理
ラボでサンドブラスト処理済みであっても、臨床での再処理が重要である。
KATANA Cleanerによる清掃(10秒)または超音波洗浄(5分)と水洗。
50μm酸化アルミニウムによるサンドブラスト(200kPa)。
CLEARFIL CERAMIC PRIMER PLUS(Kuraray Noritake Dental、MDP含有)の塗布と乾燥。
接着性セメンテーション
適切に前処理された後、PANAVIA V5 Paste(Universal、シェードA2)をブリッジの内面に塗布し、リポジショニングキーを用いて装着した。3~5秒の光重合で修復物を安定させ、余剰レジンセメントを除去した後、メーカーの指示に従って最終的な完全光重合を行った。
治療結果
前処置スキャンと新旧ブリッジの重ね合わせにより、咬合調整は必須であったものの、その他の調整は不要であった。18ヶ月後のリコール時、歯肉の統合は良好で、患者は歯間ブラシを使用し、補綴物を適切に維持できていた。
結論
本症例では、以前のブリッジとほぼ同じデザインの二重リテーナー型レジン接着ブリッジを選択するという保守的なアプローチが取られた。しかし、これは患者の良好な許容性、支台歯の組織の健全性、そして材料と接着技術の進歩により審美性を大幅に改善できるという要因に裏打ちされていた。
高審美性多層ジルコニアで設計され、厳格なプロトコルで接着された新しいブリッジは、より侵襲的な選択肢を必要とせずに、完璧に統合された自然な結果を達成した。このアプローチは、精密な臨床評価、患者のニーズと期待への傾聴、利用可能なツールの慎重な実施、高品質な材料とプロトコルの使用に基づいた個別化された治療計画の重要性を強調している。
元記事:Optimising design and shade—replacement of a resin-bonded bridge for aesthetic reasons