高齢者(80歳以上)の尿路結石に対する尿管鏡検査:多施設共同研究の成果

80歳以上の高齢患者における尿管結石に対する尿管鏡検査:多施設共同研究の結果

研究概要

本研究は、2014年1月から2024年12月にかけて、アジア、ヨーロッパ、北米の14カ国20施設で、尿管結石症のために尿管鏡検査(URS)を受けた80歳以上の患者679人を対象としたレトロスペクティブな多施設共同研究です。URSの臨床的アウトカムと合併症を評価しました。

方法論

対象患者: 尿管結石症でURSを受けた80歳以上の患者679人。

結石サイズ: 中央値11mm(IQR, 7-15)、単一結石の患者が56%。

主要評価項目: 結石除去率(SFR)。破砕片ゼロ、2mm以下、2.1-4.0mmの3つのカテゴリで評価。

副次評価項目: 術後30日以内の合併症発生率(修正Clavien-Dindo(CD)分類)。

術前評価: American Society of Anesthesiologists(ASA)グレードが評価され、患者の半数以上(51.4%)がASAグレード2でした。

手術設定: ほとんどのURSは待機的手術(94.5%)で、全身麻酔下(77.3%)で実施されました。

統計分析: 術後合併症の予測因子を特定するために多変量ロジスティック回帰分析を使用しました。

主要な結果

結石除去率(SFR)

破砕片ゼロの場合:70%

破砕片が2mm以下の場合:84%

破砕片が2.1-4.0mmの場合:90%

破砕片ゼロのSFRは結石部位によって有意に異なり、尿管では78%、腎臓では68%、両方の部位に関与している場合は51%でした(P < .001)。

術後合併症率

全体:16%

軽度合併症(CDグレード2以下):13.2%

重度合併症(CDグレード3以上):2.8%

重度合併症には、敗血症による手術関連死亡が1件含まれていました。

合併症の独立予測因子

ASAスコアが3以上(オッズ比[OR], 1.60; P = .03)

手術時間が60分を超える(OR, 1.73; P = .01)

  • 緊急手術(OR, 2.96; P = .02)

臨床的意義

著者らは、「80歳以上の患者において、尿管鏡検査は重度合併症のリスクが低く、許容可能な結石除去率で実施できる」と述べています。また、「緊急手術や長時間の外科手術を避けることで、罹患率を減少させることが可能」であり、「手術の決定は、症例ごとに慎重に検討する必要がある」と強調しています。

研究の限界

本研究は、後向き研究であること、術前および術後画像プロトコルの異質性、結石体積に関するデータが欠如していること、死亡原因や待機的再手術率に関する情報が得られなかったことなどが限界として挙げられます。

元記事:Ureteroscopy Safe and Effective for Stone Disease in Seniors