FDAがESR1変異乳がん治療薬カミゼストラントを迅速承認
FDAは、ホルモン受容体陽性、HER2陰性の局所進行性または転移性乳がん成人患者に対し、カミゼストラント(Etcamah, AstraZeneca)を迅速承認しました。この承認は、アロマターゼ阻害剤(AI)およびCDK4/6阻害剤治療中にESR1変異がFDA承認済み検査で検出された場合に、CDK4/6阻害剤(アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ)との併用療法として適用されます。
ctDNA検査に基づく初の治療変更承認
FDAは、ESR1変異検出のために循環腫瘍DNA(ctDNA)アッセイであるGuardant360 CDxも承認しました。今回の承認は、画像診断による病勢進行ではなく、ctDNA検査による変異検出に基づいてがん治療の変更を承認した初の事例となります。
ESR1変異と治療戦略
AIとCDK4/6阻害剤による初期治療中に、患者の約30%にAIへの耐性を引き起こすESR1変異が発生します。今回の承認により、変異検出時にAIをカミゼストラント(経口選択的エストロゲン受容体分解薬)に切り替えることが可能になります。
承認への議論とSERENA-6試験
2026年4月、FDAの腫瘍薬諮問委員会は、ctDNA検査に基づく早期切り替えが放射線学的進行に基づく場合よりも転帰を改善するというエビデンスがないとして、6対3で承認に反対しました。承認研究であるSERENA-6試験は、この2つの戦略を直接比較していませんでした。FDAはこの懸念を認識し、臨床的有用性を検証・記述するための確認試験を要求しています。
SERENA-6試験では、AIとCDK4/6阻害剤を少なくとも6ヶ月間投与されていたESR1変異を持つ患者315人が対象となりました。患者はAI継続群とカミゼストラント切り替え群に均等に無作為に割り付けられ、両群ともCDK4/6阻害剤は継続されました。結果として、カミゼストラントへの切り替えにより、無増悪生存期間中央値が16ヶ月に改善し、AI継続群の9.2ヶ月と比較して有意な延長が示されました。患者報告による全般的な健康状態およびQOLの悪化までの期間中央値も、それぞれ21ヶ月と6.4ヶ月と改善が見られました。全生存期間データは分析時点で未成熟でした。
安全性情報と推奨用量
カミゼストラントの処方情報には、QTc間隔延長を引き起こす可能性のある他の薬剤との併用時のQTc間隔延長に関する枠囲み警告が含まれています。また、徐脈および胚・胎児毒性に関する警告と注意も記載されています。
推奨されるカミゼストラントの用量は、1日1回75mgを食前食後問わず経口投与し、病勢進行または許容できない毒性が生じるまで継続します。CDK4/6阻害剤は、ESR1変異が検出された時と同じ用量で継続されます。
元記事:FDA Approves Camizestrant for ESR1-Mutated Breast Cancer