産業排水汚染物質の近くに住むことは、進行性核上性麻痺(PSP)のリスク上昇と関連している

工業排水汚染と進行性核上性麻痺(PSP)のリスク:UKバイオバンクの分析

工業施設からの水質汚染物質排出源の近くに住むことは、運動とバランスに影響を及ぼす稀な脳疾患である進行性核上性麻痺(PSP)の発症リスク増加と関連があることが、UKバイオバンクのデータ分析により示されました。

研究背景と方法

PSPは原因不明の神経変性疾患であり、その進行を遅らせる治療法は現在ありません。以前の研究では環境曝露の可能性が示唆されていましたが、水質汚染の役割は不明瞭でした。研究者らは、50万人以上のUKバイオバンク参加者(PSP症例221例、対照群2249例)のデータを用いて、居住地と欧州汚染物質排出移動登録(2007年データ)に基づき、重金属、農薬、その他の有機・無機汚染物質など6種類の汚染物質グループを排出する工業施設への近接性を評価しました。約3マイル(約4.8km)以内を「近接」と定義しました。

主要な研究結果

分析の結果、以下の関連性が確認されました。

PSPを発症した参加者の38%が重金属排出施設の約3マイル以内に居住しており、対照群の31%と比較して高頻度でした。農薬、その他の有機汚染物質、その他の無機汚染物質を排出する施設についても同様の差が見られました。

潜在的な交絡因子を調整した後、汚染物質を排出する施設に近接して居住することは、PSPのオッズを最大66%増加させることが示されました(例:その他の無機汚染物質でオッズ比[OR] 1.60、その他の有機汚染物質でOR 1.52、重金属でOR 1.38)。

特に40年以上同じ住所に居住している参加者では、重金属(OR 2.21)、その他の有機汚染物質(OR 2.45)、その他の無機汚染物質(OR 2.40)を排出する施設への近接がPSPのオッズをさらに増加させました。

汚染施設からの距離が約3マイルから6マイルに増えるにつれて、PSPのオッズは減少する傾向が見られました。

  • 塩素系溶剤や残留性有機汚染物質との有意な関連は観察されませんでした。

考察と限界

本研究は、環境曝露がPSPに寄与する可能性を示す新たな証拠を加えるものですが、観察研究であるため因果関係を確立することはできません。また、多くの施設が複数の汚染物質を排出するため特定の物質の特定が困難であり、居住地の近接が必ずしも実際の汚染物質曝露を反映するわけではないという限界があります。したがって、個々の汚染物質に関する知見は探索的と見なされるべきです。

結論

これらの結果は、環境中の水質汚染物質がPSPの発症に役割を果たす可能性を示唆しており、さらなる確認研究が必要とされています。

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元記事:Industrial Water Pollution Tied to Incurable Brain Disease