Google、量子コンピューティング研究でブレークスルーを発表:分子構造計算をスーパーコンピューターより13,000倍高速化

Google、量子コンピューティング研究でブレークスルーを発表:分子構造計算をスーパーコンピューターより13,000倍高速化

Google、量子コンピューティングで画期的なブレークスルーを発表

Googleは、量子コンピューティング研究において画期的な進歩を遂げたと発表しました。開発されたアルゴリズム「Quantum Echoes」は、最高性能の古典的なスーパーコンピューターと比較して13,000倍高速な計算能力を持つとされています。このアルゴリズムは、同社のWillow量子チップ上で動作し、すでに分子構造の計算に利用されており、創薬における実世界応用への道を開くものと期待されています。

研究内容と成果の詳細

「Quantum Echoes」に関する研究論文は科学誌『Nature』に掲載されました。さらに、その性能を核磁気共鳴(NMR)分光法と比較した第2の研究が、プレプリントサーバーarXivに公開されています。この第2の研究は、カリフォルニア大学バークレー校との共同で行われた原理実証実験で、15原子と28原子からなる2種類の分子を対象としました。

実験の結果、計算された分子構造は従来のNMR分析結果と一致し、さらにNMRでは通常得られない情報も明らかにしました。これにより、「分子構造と特性を特定するための、これまで困難であった経路」が提供される可能性があります。

「量子優位性」と「量子検証可能性」の達成

研究者らは、量子コンピューティングによって強化されたNMRが、将来的に創薬における強力なツールとなり得ると指摘しています。例えば、潜在的な医薬品が標的とどのように結合するかを特定するのに役立つ可能性があります。

Google Quantum AIの研究者らは、今回の成果が「史上初めて、あらゆる量子コンピューターがスーパーコンピューターの能力を凌駕する検証可能なアルゴリズムを正常に実行した」ものであり、「量子優位性」と呼ばれる偉業であると強調しています。また、この研究は「量子検証可能性」も示しており、Googleの量子コンピューターや同等の他のマシンで実験を繰り返しても、同じ結果が得られることを意味します。これは同社がこれまで達成できなかった点です。

今後の展望と課題

この反復可能で古典コンピューターを超える計算能力は、スケーラブルな検証の基礎となり、量子コンピューターを実用的なアプリケーションのツールに近づけます。しかし、この技術の実世界での利用には、まだ数年かかると認識されています。Financial Timesの報道によると、過去にGoogleや競合他社が主張した量子優位性については、一部の競合グループから古典的なスーパーコンピューターでも再現可能であるとして懐疑的な見方もあったことが指摘されています。

元記事:Google claims quantum advance could speed up drug discovery