重度の歯の摩耗症例に対するSprintRay 3DプリントクラウンレジンとAvant Garde教育プログラムで学んだ技術の活用

重度の歯の摩耗症例に対するSprintRay 3DプリントクラウンレジンとAvant Garde教育プログラムで学んだ技術の活用

重度の歯牙摩耗に対する3Dプリント製クラウンレジンを用いた全顎的リハビリテーション

本症例報告は、Avant Gardeの教育プログラムで習得した技術とSprintRayの3Dプリント製クラウンレジン技術を活用した、重度の歯牙摩耗患者に対する全顎的リハビリテーションについて解説しています。

初診時の所見と課題

56歳の男性患者は、長年の夜間歯ぎしりによる広範な歯牙摩耗を訴え、歯が短くなったと認識していました。検査により、臨床歯冠高の喪失、歯髄露出の危険性、歯槽骨の代償性増大が判明し、このまま放置すれば将来的なインプラントや義歯の困難さが予測されました。その他の課題として、非対称な歯肉頂や頬側転位した犬歯も挙げられました。

治療目標と計画

患者中心のアプローチに基づき、以下の目標が設定されました。

  • 残存歯質の保護
  • 咬合垂直次元(OVD)の増加による十分な材料厚さの確保と低侵襲性の維持
  • 不要な歯質削除の回避
  • 上顎の歯冠高と歯肉頂の改善による審美性の向上
  • 自然な審美性の追求

治療計画には、上顎2-2の外科的歯冠長延長術(3ヶ月の治癒期間)、トライアルスマイル(デジタルデザインのワックスアップをビスアクリルレジンで再現し、OVD、咬合、発音を評価)、最終的な適合、および咬合保護装置の製作が含まれました。

3Dプリント製修復物の選択

従来のコンポジットレジンやセラミックと比較して、3Dプリント製修復物が選択された理由は以下の通りです。

  • 高い適合精度、セラミック強化、CADデザインとの正確な一致。
  • 正確な辺縁適合、機能的精度、修復可能性、コンポジットより優れた強度。
  • セラミック修復の破損リスク、予測不能な修理、予算の懸念を避けるため。
  • 新しい技術であるため長期的なデータは不足しているものの、患者の協力を得てその性能と寿命を評価する目的も兼ねました。

治療プロセスと結果

治療は、デジタル診断、トライアルスマイル、歯冠長延長、SprintRay Pro 2プリンターによる3Dプリント製修復物の製作という構造化されたデジタルワークフローに従って進められました。セメンテーションプロトコルには、試適、表面処理、レジンセメント(Rely x Universal translucent)による接着が含まれました。

最終結果として、患者は審美的な結果と新しいOVDへの適応に非常に満足し、術後数ヶ月の経過観察でも問題は報告されませんでした。

考察と学習成果

この症例は、デジタルデザインワークフローが複雑な症例において効率性と精度をもたらすことを示しました。低侵襲な歯面形成により、多量のエナメル質が保存され、歯髄炎のリスクが低減されました。患者中心のアプローチとオープンなコミュニケーションが成功の鍵でした。

現在、3Dプリント材料の長期的な研究と検証がさらに必要とされていますが、本症例は、費用対効果が高く、高精度な修復物を提供する3Dプリント材料の潜在的な可能性を強調しています。この治療法は、患者評価、材料特性の理解、ワークフロー、および患者選択に基づいています。

元記事:Full-mouth rehabilitation of a severe tooth wear case using SprintRay 3D-printed crown resin