頭頸部がん臨床試験の約半分が未公表
2005年から2021年に登録された頭頸部がん臨床試験の約半分(45%)が最終的に公表されていないことが判明しました。特に、統計的に有意な結果が得られなかった試験や、不完全と見なされた試験が未公表になりやすい傾向が見られました。
方法論
研究者らは、公表バイアス(研究結果の方向性や強度に基づいて公表を怠ること)が患者の安全を脅かし、資源の浪費や重複研究を招く長年の問題であると指摘しています。この問題の発生率とその要因を明らかにするため、2005年1月1日から2021年12月31日までにClinicalTrials.govに登録された頭頸部がん臨床試験100件を分析しました(第1相試験は除外)。
出版物の特定にはPubMedとGoogle Scholarが用いられ、必要に応じて研究者に直接連絡も行われました。試験は、そのステータスが「終了」「撤回」「不明」であり、かつ論文が公表されていない場合に「不完全」と分類されました。結果の統計的有意性は、公表された論文の結論またはClinicalTrials.govのデータから評価されました。
主要な発見
- 全体で45%(100件中45件)の試験が未公表でした。
- 統計的に有意な結果が得られなかった66件の試験のうち、65%が未公表でした。有意な結果がない研究は、有意な結果がある研究と比較して11倍未公表になる可能性が高い(相対リスク [RR], 11.08)ことが示されました。
- 不完全な試験(n=37)は、完了した試験と比較して3.8倍未公表になる可能性が高い(非公表率83.8% vs 22.2%; RR, 3.77)結果となりました。
- 無作為化されていない試験は、無作為化された試験よりも非公表率が高い傾向にありました(62.5% vs 39.5%)。
- 第2相および第4相試験は、第3相試験よりも非公表率が高かったです(それぞれ46.2%および60.0% vs 35.3%)。
- 資金源別では、製薬会社がスポンサーとなった試験の非公表率が51.5%と最も高く、政府主導試験(28.6%)、大学主導試験(43.3%)がそれに続きました。
臨床実践への示唆
著者らは、「実験結果の報告を怠ることは非倫理的であり、研究の無駄に繋がり、潜在的に最適ではない薬剤や治療法の便益を過大評価させる」と述べています。彼らは、早期の試験中止を減らすためにより厳格な基準を設けること、そして科学コミュニティが「肯定的な結果のみを公表するインセンティブを最小限に抑える」よう努めるべきだと提言しています。
限界
本研究の限界として、ClinicalTrials.govを主要データベースとしたため、米国での試験が過剰に代表され、国際的な研究が過少に代表された可能性があります。また、7件の試験については研究者と連絡が取れず、未公表の結果を検証できませんでした。さらに、サンプルサイズが頭頸部がん臨床試験全体を完全に代表しているとは限りません。
元記事:Almost Half of Head and Neck Cancer Trials Go Unpublished