2型糖尿病患者における自然光曝露が血糖値と代謝パラメータを改善
新しい研究により、オフィス環境における人工照明ではなく自然光への曝露が、2型糖尿病(T2D)患者の血糖値およびその他の代謝パラメータを改善することが明らかになりました。
研究背景と目的
概日システムと外部環境とのアラインメントの乱れは代謝性疾患の一因となる可能性があり、昼夜サイクルが主要な概日アラインメント要因の一つとされています。本研究は、2型糖尿病患者を対象に、管理された条件下で屋内の自然光曝露と一般的な人工光環境が血糖値および24時間基質代謝に与える影響を比較した初のランダム化クロスオーバー研究です。
研究方法
合計13名の2型糖尿病患者(平均年齢70歳、平均A1c 6.8%)が、それぞれ4.5営業日(午前8時から午後5時まで)を、大きな窓に面したオフィス(自然光条件)または窓のない人工照明の部屋(人工光条件)で過ごしました。4週間のウォッシュアウト期間後、各参加者はもう一方の照明条件に切り替えられました。
主要な研究結果
- 平均血糖コントロール: 継続血糖モニタリングで評価された平均血糖コントロール(主要評価項目)は、自然光条件(7.4 mmol/L)と人工光条件(7.8 mmol/L)の間で有意な差はありませんでした(P = .368)。
- 正常血糖範囲内の時間: しかし、正常範囲(4.4-7.2 mmol/L)内で過ごした全体的な時間は、自然光条件で有意に高い結果となりました(50.9% vs 43.3%, P = .036)。米国糖尿病協会の定義(3.9-10.0 mmol/L)を用いても同様の傾向が見られました(自然光83% vs 人工光78.6%, P = .082)。
- 代謝パラメータ:
- 覚醒中の全身の炭水化物酸化率は自然光条件で低く、脂肪酸化率は高いことが示されました。
- 脂肪酸化率の高さと一致して、液体混合食摂取後の血漿遊離脂肪酸レベルも自然光条件で高かったです。
- 概日システムへの影響: 唾液サンプルからは、日中の自然光曝露後、夕方遅くのメラトニンレベルが高いことが示されました。これは、中心的な概日システムが自然光レジームによって影響を受け、観測された代謝効果を媒介している可能性を示唆しています。
結論と推奨
研究責任者のJoris Hoeks氏は、「小規模な概念実証研究で観察された効果は大きくないものの、日中の自然光曝露が代謝と血糖コントロールに影響を与えることを明確に示している」と述べています。自然光への曝露は安価で簡単、かつリスクがないため(夏の直接的な日光曝露を除く)、日中の自然光への曝露を増やすことを推奨しています。さらに、屋外に出て身体活動と組み合わせることは、代謝の健康を改善する実績のある方法であると付け加えています。
元記事:Sunlight at Work Beats Artificial Light for Glucose Control