エムポックス治療薬Tecovirimat SIGA、EUでの使用推奨を中止
欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)は、エムポックス(mpox)の治療においてTecovirimat SIGAの使用を推奨しないと発表しました。この決定は、エムポックス治療における有効性の欠如を示唆する臨床試験の証拠に基づいています。
決定の背景と根拠
欧州委員会からの要請により、この抗ウイルス薬の再評価が開始されました。
CHMPの決定は、米国国立アレルギー感染症研究所が支援した研究を含む、4つの無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験のレビューに基づいています。
これらの研究では、Tecovirimat SIGAがエムポックス病変の持続期間短縮、病変の解消までの時間短縮、痛み軽減、皮膚病変の痂皮形成および完全治癒までの時間短縮に効果がないことが示されました。
新たな安全性に関する懸念は見つかりませんでした。
影響範囲と他の適応症
この決定は、天然痘、牛痘、および天然痘ワクチン合併症の治療といった、Tecovirimat SIGAの他の用途には影響しません。
これらの疾患に対するin vitroおよび動物データは、依然として関連性があると見なされています。エムポックスとこれらの疾患では、期待される使用状況と病気の経過が異なるため、制限はエムポックスのみに限定されます。
承認経緯と現在の状況
Tecovirimat SIGAは、2022年1月に「例外的状況下」で、エムポックス、天然痘、牛痘の治療薬として承認されました。承認当時は、感染者での研究が困難であったため、動物モデルのデータに基づいていました。
現在、EU内でエムポックス感染症の治療に承認されている他の薬剤はありません。
- CHMPは、既にTecovirimat SIGAでの治療を開始している患者は、治療コースを完了できると述べています。