アカデミック眼科医における男女間の収入格差:30年で104万ドルの生涯賃金差
TOPLINE: 全ての役職で女性は男性より収入が少ない
アカデミックな眼科医として働く女性は、全ての役職において男性よりも収入が少ないことが明らかになりました。2024年現在、助教(assistant professor)および部長(chair)ランクの女性は、男性と比較して1ドルあたり91セントしか稼いでいません。また、准教授(associate professor)および教授(professor)ランクの女性は、1ドルあたり85セントにとどまっています。この格差は、30年間のキャリアで推定104万ドルの報酬差につながるとされています。
METHODOLOGY: AAMCのデータを用いた分析
研究者らは、Association of American Medical Colleges (AAMC) Faculty Salary Survey(2016年〜2024年)のデータを使用し、米国156の認定医科大学に勤務する年間約1470人(約59%が男性)のフルタイムのアカデミック眼科医を分析しました。分析では、2018年から2024年までの助教、准教授、教授、部長といった学術的役職全体の総金融報酬を性別ごとに調査。給与、ボーナス、手当を含む年間報酬増加率を測定し、2016年から2024年までの米国の平均インフレ率3.29%と比較しました。また、純現在価値分析を用いて、インフレを考慮した3%の割引率を適用し、異なるキャリア期間(25年、30年、35年)と昇進スケジュール(4年、6年、8年、10年、12年ごと)を設定して、男性と女性のキャリア総収入を推定しました。
TAKEAWAY: 役職と報酬増加率に見られる傾向
女性の割合: 2018年から2024年にかけて、助教における女性の割合は47.2%から52.1%に増加しましたが、教授や部長における女性の割合は19.1%から30.4%にとどまっています。
報酬増加率:
女性助教の年間報酬増加率は3.41%で、男性助教の1.98%を上回りました。
女性准教授の年間報酬増加率は3.6%で、男性准教授の2.38%を上回りました。
- しかし、女性教授(2.45%)および女性部長(1.95%)の年間報酬増加率は、男性教授(2.89%)および男性部長(3.34%)よりも低い結果となりました。
IN PRACTICE: 今後の格差解消への見解
研究者らは、「アカデミック眼科医の間では、平均して女性が男性よりも稼ぎが少なかった」と報告しています。また、助教および准教授ランクでは、今後10年から15年でこれらの格差が解消される可能性があると示唆しています。しかし、現在の傾向が続けば、教授および部長ランクにおける格差は決して解消されないだろうと予測されています。さらに、賃金はインフレ率にほとんど追いついておらず、眼科医の購買力は向上していないことも指摘されています。
SOURCE: 研究情報
本研究は、イェール大学医学部のElyssa Dionne氏らが主導し、2026年3月26日にJAMA Ophthalmology誌にオンライン公開されました。
LIMITATIONS: 研究の限界
本研究は、教員自身のデータではなく機関が報告したデータを使用しており、勤務時間、実務経験年数、追加収入といった詳細情報は含まれていません。また、簡略化された財務モデルに依存しており、サブスペシャリティの内訳がなく、フルタイムのアカデミック眼科医のみを対象としているため、結果の正確性や一般化可能性に影響を与える可能性があります。