欧州で新薬への患者アクセスが悪化、EFPIAは投資拡大を訴え

欧州における新薬への患者アクセスが深刻化、EFPIAが政府の「短期的なコスト抑制」を批判

欧州製薬団体EFPIAは、欧州全域で新薬への患者アクセスが悪化していると発表し、革新的な医薬品への支出を増やすことの社会経済的な重要性を訴えました。

アクセス状況の悪化と償還の減少

2025年には、新薬のほぼ半数(49%)が欧州の患者に利用できない状況に陥ると予測されており、これは2019年の46%から増加しています。また、公的償還リストに完全に掲載されている医薬品の割合は、42%から28%へと大幅に減少しました。EFPIAは、欧州各国政府が「医薬品支出を削減するための短期的なコスト抑制戦略」を採用していることを非難し、「患者、医療システム、欧州経済に利益をもたらす投資戦略」ではないと指摘しています。

医薬品投資の経済的利益

EFPIAが委託した調査によると、新薬に1ユーロを費やすごとに、病院費の削減や労働生産性の向上など、5.67ユーロの社会経済的利益が生まれるとされています。2014年から2024年の間に、欧州が新薬に投資した116.7億ユーロは、660億ユーロの利益をもたらし、その中には90億ユーロの直接的な病院費削減が含まれると分析されています。

長い待ち時間と国際的な価格圧力

欧州の患者は、新たに承認された医薬品にアクセスするまでに平均500日を要しており、国によってアクセスに88%もの格差があることも報告されています。この報告は、米国通商代表部がドイツの医薬品価格政策に関する調査を開始した直後に出されました。また、多くの製薬会社は、より高い薬価交渉が得られない場合、欧州での新薬発売を遅らせたり中止したり、設備投資を棚上げしたりすると主張しています。これは、米国が海外市場の最低価格に米国の医薬品価格を連動させようとする、トランプ政権の最恵国待遇(MFN)政策の結果であり、製薬会社は欧州での価格戦略を見直し、投資プロジェクトを米国に振り向けるようになっています。

英国の先行とEUへの圧力

英国はすでに、新薬の費用対効果計算を調整することで医薬品支出を増やすことを選択しています。製薬業界は、米国連邦政府の支援を受け、EU加盟国にも同様の措置を講じるよう圧力を強めています。

EFPIA事務局長のナタリー・モール氏は、「このデータは、医療支出が社会のコストよりもはるかに多くの価値を生み出すという増え続ける証拠を裏付けている」と述べました。「健康と医薬品予算の優先順位を下げることは、戦略的間違いであるだけでなく、短期的な利益のために長期的な繁栄を犠牲にする経済的に自己破滅的な決定である」と警告し、「多くの国が、健全な社会が高性能経済の鍵であることを認識しており、欧州もそれに続くべきだ」と付け加えました。

元記事:EFPIA report adds to pressures on EU drug pricing policy