アルツハイマー病治療薬レケンビ、皮下投与製剤が開始用量としてもFDA承認を取得

レケンビ皮下注射製剤、FDAが導入療法としても承認:アルツハイマー病治療に新たな選択肢

エーザイとバイオジェンは、アルツハイマー病治療薬「レケンビ(Leqembi)」の皮下注射製剤「Leqembi Iqlik」について、FDAの承認導入療法としても獲得しました。昨年9月には維持療法として承認されていましたが、今回の承認により、治療開始時から皮下注射による投与が可能になります。

治療普及の鍵となる利便性

この皮下注射製剤は、治療の普及を加速させる上で極めて重要と見られています。従来の静脈内投与では、患者は18ヶ月間2週間ごとに、その後月1回通院する必要があり、患者と医療システム双方にとって大きな負担となっていました。Leqembi Iqlikは、週1回、2つの250mg注射を約15秒で投与できる自己注射が可能で、これらの課題を解決します。

売上への期待と審査の背景

維持療法としての承認後、レケンビの売上は好調で、今年第1四半期には前年同期比74%増の1億6800万ドルを記録しました。今回の導入療法としての承認により、エーザイとバイオジェンは今年の売上高が10億ドルを超えると期待しています。FDAによる審査は、マーケティング申請の主要な修正要請により3ヶ月遅延したため、今回の承認は両社にとって安堵をもたらすものです。

有効性と安全性

臨床試験では、脳内のアミロイド斑除去効果において、皮下注射製剤と静脈内製剤に差がないことが確認されました。また、脳の腫れや微小出血を引き起こす可能性のあるARIA反応を含む安全性についても同等であることが示されています。

アルツハイマー病治療の新時代

アルツハイマー病治療薬探索財団のハワード・フィリット氏は、今回の承認が「治療法に意味のある選択肢が生まれた、新時代の幕開け」であると評価しています。ドラッグデリバリーの革新が、治療へのアクセス向上、併用療法の研究、精密医療の推進に重要な役割を果たすと述べています。

競合優位性

今回の承認は、アミロイド標的アルツハイマー病治療薬の分野における唯一の競合であるイーライリリーの「ドナネマブ(donanemab)」に対し、エーザイとバイオジェンに競争優位性をもたらします。リリーはドナネマブの皮下注射版を開発しておらず、代わりに次世代のアミロイド標的薬「レムターネツグ(remternetug)」を皮下注射製剤として開発中で、現在第3相試験が進行中です。

元記事:FDA clears at-home start dose for Alzheimer's drug Leqembi