子宮頸部病変の経過観察における一般開業医と婦人科医の比較:フォローアップ離脱率が2倍以上に
子宮頸部病変の経過観察において、低悪性度扁平上皮内病変 (LSIL) の患者、または治療済み高悪性度扁平上皮内病変 (HSIL) の患者が一般開業医 (GP) による経過観察を受けた場合、婦人科医による場合と比較して、フォローアップ離脱率が2倍以上になることが示されました。短期間の追跡では再発率は低いままでした。
研究方法
この後方視的コホート研究は、オランダの2つの非学術教育病院において、2018年から2020年にかけて実施されました。子宮頸部前癌病変の経過観察における、GPベースと婦人科医ベースのフォローアップ遵守状況を比較しました。
合計1863名の患者が研究に含まれました。内訳は、LSIL患者1428名(GPによるフォローアップ874名、婦人科医によるフォローアップ554名)と、治療済みHSIL患者435名(GPによるフォローアップ298名、婦人科医によるフォローアップ137名)です。
LSIL患者: 12ヶ月後の細胞診および高リスクヒトパピローマウイルス検査が予定されていました。
治療済みHSIL患者: 6ヶ月後に検査が予定され、6ヶ月目の細胞診が正常であれば24ヶ月目に追加検査が実施されました。
GPに紹介された患者は、自分でフォローアップの予約を取る責任がありましたが、婦人科医ベースのフォローアップでは、予約が自動的に設定されていました。主要評価項目はフォローアップ離脱で、推奨される経過観察間隔から6ヶ月を超えてフォローアップがない、または最初の経過観察細胞診が遅れることと定義されました。副次評価項目は、フォローアップ中の疾患再発でした。
主な結果
LSILのフォローアップ離脱率: 12ヶ月時点で、GPによるフォローアップを受けた患者群で38.1%と、婦人科医によるフォローアップを受けた患者群の16.6%と比較して有意に高かった(P < .001)。
治療済みHSILのフォローアップ離脱率: 24ヶ月時点で、GP群で44.3%と、婦人科医群の24.1%と比較して有意に高かった(P < .001)。
年次サブ解析: 2018年、2019年、2020年のいずれの年においても、LSIL患者でGPによるフォローアップを受けた群は婦人科医群と比較して有意に高いフォローアップ離脱率を示しており、COVID-19パンデミックが遵守パターンに大きな影響を与えなかったことが示唆されました。
疾患再発率: フォローアップ中の疾患再発は両群ともに低率でした。
LSILの場合: HSILへの進行はGP群で6.7%、婦人科医群で3.7%でした。
治療済みHSILの場合: 再発はGP群で0.6%、婦人科医群で2.9%でした。
考察
著者らは、「本研究におけるGPによる経過観察後の比較的高いフォローアップ離脱率は、構造化されたリコールシステム(呼び出しシステム)の欠如によって説明される可能性がある」と述べています。これは、デンマークなど、GPが子宮頸部細胞診のフォローアップに長年関与している国からのエビデンスによっても裏付けられています。
限界
本研究の限界として、登録の不完全性による患者選択バイアスの可能性、民族性や教育レベルなどの重要なベースライン情報の欠如が交絡因子となる可能性、比較的短い追跡期間のため、フォローアップ離脱患者における子宮頸癌への進行などの長期的な転帰を判断することが困難である点が挙げられます。また、子宮頸部異常の既往がない集団に限定されており、一般化の可能性は限定的です。