肺がんスクリーニングにおける偽陽性率の広範なばらつきが確認される

低線量CT肺がん検診の偽陽性率に大きなばらつき

概要

約1500人の米国放射線医を対象とした研究により、低線量CT肺がん検診の解釈に高いばらつきがあることが判明しました。ベースライン検診での偽陽性率11%から22%の範囲でした。

研究方法

アメリカ放射線医学会(ACR)は、肺がん検出の感度を維持しつつ、低線量CTスクリーニングの解釈を標準化し、偽陽性率を低減することを目的としてLung-RADSを開発しました。本研究は、実世界の状況における放射線医のスクリーニング解釈のばらつきを調査しました。

研究者らは、ACR肺がんスクリーニング登録データと、2015年から2021年のメディケア請求ファイルをリンクして使用しました。ベースラインまたはベースライン後でそれぞれ50件以上の肺がんスクリーニングを解釈した1445人の放射線医が対象となり、合計229,599件のスクリーニングが分析されました。

偽陽性率:12ヶ月以内に肺がん診断がない患者における陽性スクリーニング(Lung-RADSスコア≥3)の割合。

感度:12ヶ月以内に肺がん診断がある患者における陽性スクリーニングの割合。

混合効果モデルを用いて、放射線医の偽陽性率のばらつきを分析し、患者の人口統計、喫煙歴、居住州に基づく風土病真菌症への曝露可能性、Lung-RADSバージョンなどの共変数を考慮しました。

主要な結果

ベースライン検診における放射線医間の偽陽性率の中央値は、実測データで15.9%(IQR, 11.3%-21.8%)、混合効果モデルで16.3%(IQR, 11.8%-21.8%)でした。

ベースライン後検診では、偽陽性率の中央値はそれぞれ8.5%(IQR, 5.7%-12.8%)と8.8%(IQR, 6.3%-11.8%)でした。

ランダムに選ばれた放射線医のペア間の平均オッズ比は、ベースライン検診で2.57、ベースライン後検診で2.67でした。これは、ある放射線医が別の放射線医よりも平均して約2倍の偽陽性を出す可能性を示しています。

偽陽性率が高いほど感度も高いという関連性が見られました。偽陽性率が高い上位2四分位群(総偽陽性率24.1%)の放射線医は94.4%の感度を達成したのに対し、下位2四分位群(総偽陽性率10.9%)では89.6%でした。しかし、この高い感度は、真陽性1件につき100件以上の追加の偽陽性を伴うものでした。

  • 偽陽性率の分散のうち、含まれた共変数で説明できたのはわずか1%~2%でした。

実践上の示唆

研究著者らは、「Lung-RADSは偽陽性率を減少させるための重要な第一歩であったが、本研究は放射線医レベルの解釈のばらつきをさらに低減する必要性を示している」と述べています。彼らは、スクリーニングマンモグラフィで広く使用されている支援ツール、構造化された監査、AI支援などの介入が、肺がんスクリーニングでも同様の価値を持つ可能性があると付け加えました。

限界

本研究のスクリーニングは、メディケアのサービス報酬制度に加入している65歳以上の患者を対象としており、選択バイアスが生じ一般化可能性が制限される可能性があります。また、放射線医に関する情報が限定的で、実務経験年数や放射線科の専門分野は含まれていませんでした。

元記事:Wide Variation Seen in Lung Screening False-Positive Rates