新規診断原発性シェーグレン症候群患者における新規診断後の薬剤アドヒアランスと薬剤信念の関連性

新規診断の原発性シェーグレン症候群患者における服薬アドヒアランス:患者の信念が重要な要因に

新規診断された原発性シェーグレン症候群(pSjD)患者の40%が、追跡調査期間中に低い服薬アドヒアランスを示しました。このアドヒアランスは、疾患活動性、症状負担、または生活の質(QOL)とは関連せず、治療の必要性に関する患者の信念と、潜在的な害への懸念とのバランスに関連していることが示されました。

研究方法

この前向き観察コホート研究では、2016年のアメリカリウマチ学会/欧州リウマチ学会連合の分類基準を満たす、新規診断のpSjD患者54人(平均年齢49.7歳、96.3%が女性)が登録されました。

参加者は平均21.36ヶ月追跡され、追跡調査時に40人(74.1%)が再評価可能でした。服薬アドヒアランスは、5項目のリウマチ用コンプライアンス質問票を用いて評価され、患者は低アドヒアランス群(16人、40.0%)と高アドヒアランス群(24人、60.0%)に分類されました。

研究者らは、ベースライン時と追跡調査時に、以下の項目を評価しました。

  • 全身性疾患活動性:EULARシェーグレン症候群疾患活動性指数(ESSDAI)
  • 患者報告による症状負担:EULARシェーグレン症候群患者報告指数(ESSPRI)
  • 心理症状:病院不安抑うつ尺度(HADS)
  • 機能状態:健康評価質問票(HAQ)
  • 健康関連QOL:12項目短縮版健康調査票(SF-12)
  • また、追跡調査時に服薬に関する患者の信念がBeliefs about Medicines Questionnaireを用いて評価され、認識された必要性 vs 懸念を比較し、「必要性-懸念差」が算出されました。

研究結果

  • 低アドヒアランス群は、高アドヒアランス群と比較して、「必要性-懸念差」が有意に低く(平均-0.43 vs 0.30; P = .038)、これは薬の潜在的な害への懸念に対して、その利益をあまり認識していないことを示唆しています。
  • 全身性疾患活動性は両群で低く安定しており、ベースライン時および追跡調査時のESSDAIスコアに有意差はありませんでした。ESSPRIの総スコアも、低アドヒアランス群と高アドヒアランス群間で有意差はありませんでした。
  • 心理状態、疲労、機能能力、およびQOLは、アドヒアランス群間で同程度でした。
  • 「必要性-懸念差」が1ポイント増加するごとに、高アドヒアランスに分類されるオッズが1.95倍増加しました(オッズ比1.95; 95% CI, 1.01-3.76)。

臨床への示唆

著者らは、「患者が治療に感じる必要性や、薬に関する懸念を評価することは、より詳細な治療説明から恩恵を受ける可能性のある個人を特定するのに役立つだろう」と述べています。

研究の限界

本研究は、サンプルサイズが比較的小さく、追跡不能による脱落があったため、統計的検出力が限定的である可能性があります。服薬アドヒアランスは自己申告による評価であり、想起バイアスや社会的望ましさのバイアスの影響を受ける可能性があります。また、アドヒアランスと服薬信念が同時期に測定されたため、因果関係を明確に解釈することはできません。

元記事:Medication Beliefs Tied to Adherence in Sjögren