FDA、専門家諮問委の助言に反しAstraZenecaの乳がん治療薬Etcamahを承認
米国食品医薬品局(FDA)は、自身の専門家諮問委員会であるオンコロジー薬諮問委員会(ODAC)の助言に反し、アストラゼネカの経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)Etcamah(カミゼストラント)を、特定の乳がんに対する第一選択治療薬として承認しました。
承認された適応と背景
Etcamahは、CDK4/6阻害剤との併用で、局所進行性または転移性のHR陽性、HER2陰性乳がんのうち、ESR1遺伝子に変異がある患者の初回治療として米国で承認されました。この決定は、ODACがSERENA-6試験のデータが承認を支持するほど強力ではないと5月に投票した後、FDAが審査期間を3ヶ月延長した後に下されました。
Etcamahの意義と臨床試験結果
初の第一選択経口SERD: Etcamahは、この種の乳がんにおいて、第一選択オプションとして承認された初の経口SERDとなります。既存の経口SERDであるMenarini/StemlineのOrserduやEli LillyのInluriyoは、ESR1変異を持つ進行性乳がんの二次治療薬として承認されています。
SERENA-6試験の有効性: SERENA-6試験では、EtcamahとCDK4/6阻害剤の併用療法が、ESR1腫瘍変異が出現した患者において、疾患進行または死亡のリスクを56%低減することが示されました。また、二次疾患進行までの期間が37%改善し、中央値でEtcamah併用群が16ヶ月、対照群が9.2ヶ月の無増悪生存期間を示しました。全生存期間の改善傾向も確認されています。
- ctDNAによる治療ガイダンス: FDAのがん部門責任者であるAngelo de Claro氏は、「画像検査で疾患進行が示される前に、循環腫瘍DNA(ctDNA)中の耐性変異検出によって治療が導かれる初のFDA承認がん治療である」と述べています。
その他の情報
Etcamahは既に欧州、カナダ、日本などで承認されており、今回の米国での承認は、アストラゼネカが年間約50億ドルのピーク売上目標を達成する上で大きな推進力となると期待されています。また、この承認と連携して、Guardant Healthが開発したctDNA中のESR1耐性変異を検出するコンパニオン診断薬Guardant360 CDxもFDAによって承認されました。