英国の救急部門の過密が毎週数百人の死に関連
英国の救急部門(A&E)における過密状態と「廊下でのケア」が、毎週数百人の死亡に関連していることが、新たな研究によって明らかになりました。
研究の概要と主要な発見
この研究は、昨年ウェールズ、北アイルランド、イングランドの134のA&E部門で19,000人以上の成人患者を対象に行われました。
グラスゴー大学のライアン・マクヘンリー博士が発表した結果によると、緊急部門の占有率が10%増加するごとに、その後の28日以内の死亡リスクが1%上昇することが判明しました。
研究期間中、緊急部門は平均で175%の占有率で稼働しており、これは深刻な過密状態を示しています。
「廊下でのケア」(患者が廊下などの非標準的な臨床スペースで治療を受けること)も、過密と同様の割合で死亡リスクの増加と関連していると報告されています。
マクヘンリー博士は、イングランド、ウェールズ、北アイルランド全体で毎週約550人の死亡が緊急部門の過密によって引き起こされている可能性があると推定しています(推定範囲は33人から1,083人)。
専門家からの強い警告
欧州救急医学会議のフェリックス・ロラン博士は、「出口閉塞」(入院病床が利用できないために患者が緊急部門に留まる状況)が、既に許容量を超えて稼働している緊急部門にさらなる負担をかけていると指摘しました。
王立救急医学会(RCEM)のイアン・ヒギンソン会長は、「人々は緊急部門の過密に関連して死亡している」と述べ、この「全く常態化し、受け入れがたい事態」に対し、政策立案者に緊急の行動を求めました。彼は、患者への壊滅的な影響だけでなく、過酷な労働条件によるスタッフの離職リスクについても警告しています。
政府の対応と今後の課題
保健社会福祉省の報道官は、NHSが「史上最も忙しい夏」に直面したことを認めつつ、緊急部門の負担軽減と「廊下でのケア」の解消に向けた緊急の措置を講じていると発表しました。これには、専門チームの派遣、病院施設への15億ポンド以上の投資、地域医療への移行などが含まれます。
- しかし専門家は、政府の対応に「緊急性が見られない」と批判しており、さらなる対策が必要であると強調しています。