進行性骨化性線維異形成症(FOP)治療薬としてMirum PharmaのAtebriozがFDA承認
米国食品医薬品局(FDA)は、Mirum PharmaのALK2阻害剤Atebrioz(ジルルギセルチブ)を、希少な骨疾患である進行性骨化性線維異形成症(FOP)の治療薬として承認しました。Atebriozは、FOP治療薬として米国で3番目に承認された薬剤であり、12歳以上の小児および成人に使用が認められています。
FOPは、筋肉、腱、靭帯に異所性骨化(HO)が生じる、生命を脅かし、高度に衰弱させる疾患です。
既存治療薬との比較とAtebriozの優位性
- Sohonos(イプセン): 2023年にFOP治療薬として最初に承認された経口RARガンマアゴニストでしたが、EUでの承認失敗、年齢制限、安全性問題(高い中止率)、控えめな有効性により商業的には不振です。
- Pasatru(リジェネロン): 今年8月に承認された2番目の薬剤で、月1回の静脈内投与です。Sohonosの主要臨床試験での新規骨病変60%減少と比較して、56週で90%以上の減少を達成し、有効性の向上が見られました。
Atebriozは第2相PROGRESS試験の結果に基づきFDA承認を得ました。同試験では、新規骨増殖のほぼ100%減少が示され、新規骨量がプラセボ群の24.6 cm³増加に対し、3.2 cm³減少しました。また、新規病変を発症した患者の割合も、対照群の16.7%に対し、Atebrioz群では3.1%と81%減少しました。
Atebriozは、安全性においても優位性を示し、治療中止や用量減量を必要とするケースはありませんでした。一方、Pasatruには急性組織感染のリスクがあり、段階的な減量で軽減できるとされています。さらに、Atebriozは毎日服用する経口薬であり、通院の必要がないため、患者にとってより負担の少ない投与が可能です。
市場競争と今後の展望
Pasatruの年間平均価格が140万ドルであるのに対し、MirumはAtebriozの年間価格を約75万ドルに設定する可能性があるとアナリストは推測しており、市場シェア争いにおいて価格が重要な要因となるでしょう。
AtebriozはEUでも審査中であり、今回のFDA承認により、Mirumは希少小児疾患優先審査バウチャー(PRV)を獲得しました。これは他社に売却することで1億〜2億ドルの価値を持つ可能性があります。
PROGRESS試験の延長として、Atebriozのより若い小児(6~11歳、2歳以上)を対象とした試験も進行中です。