アルツハイマー病治療薬、NHS償還を巡りNICEが再評価へ
イーライリリーとエーザイが開発したアルツハイマー病治療薬の英国国民保健サービス(NHS)での償還を巡る議論が長期化しており、英国国立医療技術評価機構(NICE)が再びガイダンスの見直しを行うことが決定しました。
再評価の背景と当初の却下理由
NICEは2025年6月、リリーの抗アミロイド抗体「Kisunla(ドナネマブ)」とエーザイの「Leqembi(レカネマブ)」について、異例の3度目の評価を行った結果、NHSでの使用を却下していました。却下の主な理由は以下の通りです。
軽度認知障害または軽度アルツハイマー病患者に対する治療効果が、追加費用に見合うほど大きくないと判断された。
薬剤の長期的な効果に関するエビデンスが不足していた。
患者が副作用に対して集中的なモニタリングを必要とすること。
再評価で検討される新たな論点
今回の再評価では、以下の点が再度検討される見込みです。
無償介護者の費用に関する考慮
介護者の生活の質に関するエビデンスの結論
NHSにおける輸液費用の見積もり
- 薬剤の長期データ
関係者の反応と今後の見通し
リリーの幹部は、NICEの再評価決定を「アルツハイマー病との戦いにおける大きな瞬間」と歓迎しています。アルツハイマー病協会は、当初の却下を「後退」と表現しつつも、仮に承認されても「多くの患者がアクセスできないだろう」と、医療システムの準備不足を指摘していました。アルツハイマー病研究UKも再評価を歓迎し、「アルツハイマー病が人々とその家族に与える真のコストを考慮する機会」だと述べています。
今後のNICE会議の日程は未定であり、再評価によってNICEの姿勢が変わるかは不確かです。NICEの経路でのさらなる異議申し立ては不可能であり、追加措置は高等裁判所を通じて行われる必要があります。