国際歯科学生連盟(IADS)の75周年:臨床教育を超えて、学生の声を強化
国際歯科学生連盟(IADS)は創立75周年を迎え、退任するアブドラ・アルズバイディ会長の下、臨床教育を超えて、歯科学生の国際的な発言力強化に注力している。FDI世界歯科会議でDental Tribune Internationalがアルズバイディ氏にインタビューし、IADS会長への道のり、次世代歯科医が直面する機会と課題について語った。
IADSへの道のり
アルズバイディ氏は18歳でイラクの歯科学校に入学し、24歳で米国に移住。当初はIADSへの参加を諦めていたが、中東出身の活動メンバーに触発され希望を持つ。最初の応募は不採用だったが、CV強化と専門活動に注力し、2023年に編集委員会に参加。その後、選挙を経て2025-2026期の会長に選出された。
75周年記念の意義と回復力
会長として75周年を迎えることは個人的な名誉であり、協会にとって重要な節目である。今年のプラハでの年次総会では、過去のリーダーや卒業生を招き、世代間のつながりを強調した。特に、パンデミックによる対面活動の困難を乗り越え、デジタルインフラを強化したIADSの回復力を象徴している。
エンゲージメントと可視性の向上
副会長(広報担当)時代は、パンデミック後のエンゲージメント低下が課題だった。アルズバイディ氏の主な目標は、IADSの可視性とアクセス性を最大化することだった。
- ソーシャルメディアの戦略的再構築: 歯科学生に直接聞き取り、Z世代の期待に合わせたコンテンツとコミュニケーションスタイルを採用。
- デジタルインフラの再構築: IADSのメインウェブサイトと会議ウェブサイトを内製化し、更新・維持を容易にした。
これらの取り組みにより、ソーシャルメディアのフォロワー数、会員エンゲージメント、イベント参加が大幅に増加。これにより、スポンサーや資金、提携機関の誘致、IADSの国際的プロフィールの強化にも繋がった。
デジタル変革とAIへの対応
IADSはデジタル変革において理想的なリーダー的立場にある。チームとメンバーのほとんどがデジタルネイティブであり、口腔内スキャン、3Dプリント、AIなどのデジタル技術に親和性が高い。AIは臨床文書、診断画像、患者教育に統合され、特に若手歯科医を支援する可能性がある。
IADSは以下の取り組みを通じて学生を支援している:
ブランド体験プログラム: 歯科企業の拠点や生産現場を訪問し、最先端技術に触れる機会を提供。
ワークショップ: 歯科会議で倫理やAIの責任ある利用に関する重要なトピックを扱う。
- 実践的トレーニング: 学生がAIを効果的に学習や臨床業務で活用できるよう支援。
最終的な目標は、学生が関連する倫理的枠組みと責任を理解し、ツールに実践的に触れる機会を提供することである。
技術導入の課題とDSOの影響
歯科クリニックにおける技術利用のギャップには、主に「開業医の受容」「臨床的検証」「技術へのアクセス」の3つの課題がある。特に、新卒歯科医は投資決定権がなく、診療所に最新技術がなければ利用できない。
歯科サポート組織(DSO)の成長は、歯科技術への世界的な投資を形成している。DSOは新卒歯科医に雇用機会と最新技術へのアクセスを提供する一方で、独立開業を困難にする「両刃の剣」である。この構造的問題は、歯科協会、政府、FDIのような国際機関が、個々の歯科市場に合わせた解決策を講じるべきとアルズバイディ氏は指摘する。イラクの例では、構造的問題が歯科医の過剰供給と失業につながり、歯科分野の魅力低下を招いている。
IADSの未来像
アルズバイディ氏は、IADSの未来を今後25年間と見据えている。IADSが国際舞台で強く、可視性を持つこと、歯科学生が政策議論に積極的に関与することがビジョンである。IADSは臨床開発だけでなく、歯科リーダー、教育者、擁護者を育成するプラットフォームであり、将来の世代をエンパワーすることで、「情報に通じ、つながりを持ち、力を与えられた」歯科医を育成し、歯科専門職が将来の課題と機会に備えられるようにすることを目指している。
元記事:“Dental students should be actively involved in policy discussions”