歯科における3Dプリンティング:即日複数修復物の症例報告
3Dプリンティング技術の進化と利点
ハードウェア、ソフトウェア、材料科学の進歩により、歯科補綴物の即日3Dプリンティングが現実のものとなり、過去に数時間かかった作業が1時間以内に完了するようになりました。特に、複数の補綴物を同時に生産できる点が3Dプリンティングの大きな強みです。自動洗浄・重合ユニットなどのアクセサリーや、クラウンキットのような検証済み修復ソリューションを組み合わせることで、1回の来院で象限全体の効率的な修復治療が可能となります。これにより、患者は再来院の必要がなくなり、術者は口腔内で直接修復物マトリックスを操作する必要がなくなるなど、患者と術者の双方にとって体験が向上します。
症例提示:複数の不良アマルガム修復物の交換
35歳の女性患者が、長年歯科を受診していなかったため、上顎右側臼歯部に複数の不良なアマルガム修復物(歯#17のMB、#16と15のMOD、#14のDO)を抱えて来院しました。彼女は時間の制約から、これらすべての修復物を1回の来院で交換することを希望しました。
治療計画と単回治療の実施
患者は、既存の4つのアマルガム修復物を間接3Dプリント修復物に1回の来院で交換する計画が立てられました。
- 麻酔後、アマルガム修復物を除去し、窩洞形成を行いました。
- 口腔内スキャン(Medit i700)を実施し、Med it ClinicCADアプリを使用してチェアサイドで修復物を設計しました。この際、ステインによる特性付与を容易にするため、咬合面形態を強調しました。
- 設計された修復物は、Max 2 (Asiga) 3Dプリンターを使用し、VarseoSmile TriniQクラウンキット(BEGO、A3シェード)で約15分でプリントされました。最も正確な結果を得るため、咬合面をビルドプラットフォームに向けて配置しました。
- プリントされた修復物は、イソプロピルアルコールワイプで手動洗浄されました(ハイブリッドセラミック材料のアルコール浸漬は接着強度に影響するため避ける)。
- FinalTouchコンポジットステイン(VOCO)で特性付与し、Rodin Glaze N2-Free(Pac-Dent)でグレーズ後、CURIE Plusユニット(Ackuretta)で最終重合を行いました。
- 修復物の適合面をサンドブラスト後、PANAVIA V5レジンセメント(Kuraray Noritake Dental)で個別に接着しました。
- 接着後、咬合調整を行いました。
結論と今後の展望
3Dプリント修復物は臨床的に許容可能な精度を持つことが知られています。初期のセラミック強化複合材料には耐摩耗性や表面粗さに関する課題がありましたが、材料科学の進歩により、特に部分被覆修復物においてその応用にはメリットがあります。この症例が示すように、複数の修復物を生産する際に3Dプリンティングは特に優れた効果を発揮します。この患者は1回の来院で効率的に歯科的問題が解決され、良好な結果が得られました。ソフトウェア、ハードウェア、材料の発展により、この種の歯科治療は今後さらに一貫性があり、信頼性の高いものになるでしょう。
元記事:Same-day 3D-printed restorations—taking chairside 3D printing to the next level