EU医療機器規則(MDR)が欧州の医療・歯科機器産業に与える影響と改善提案
EU医療機器規則2017/745 (MDR)は、欧州における医療・歯科機器の供給を再構築しているが、安全な医療機器と革新的な産業を損なっているとの批判がある。業界関係者による新しい報告書は、MDRの欠点と改善策を提示している。
MDRがもたらす問題点
中小企業への打撃:
2014年以降、ドイツでは主に中小規模の医療機器メーカーが10,000社以上減少。市場シェアも大幅に低下。
多くの小規模メーカーが廃業・撤退し、大手企業は不採算製品を中止。
歯科医院では、歯科材料の減少、選択肢の縮小、治療ギャップのリスクが生じている。
MDRの再認証ルールは中小企業に過度な負担をかけ、Dentaurum社は1,000製品を、Hoffmann Dental Manufaktur社はProxifungineの販売を中止した。
微細企業は廃業か、規制の少ない分野への転換を迫られている。
流通業者に関する脆弱な枠組み:
多くの流通業者が欧州内で登録されておらず、高リスクまたは非準拠製品をオンラインで国境を越えて販売。
準拠メーカーとの不公平な競争を生み、患者安全にリスクをもたらしている。
患者安全とレジリエンスの喪失:
安全な医療機器の喪失は究極的に患者安全を脅かす。
多数の小規模サプライヤーの喪失は、産業全体のレジリエンス(回復力)を低下させる。
MDRの改善に向けた3つの提案
報告書は、迅速かつ低コストで実施可能な3つの対策を提案している。
- 「Class I Legacy」の新設:
- MDR第97条の積極的活用:
- 流通業者の登録義務化:
旧医療機器指令の下で10年以上安全に使用されてきた確立された技術機器を、新しい低リスククラスに再分類。
高額な認証機関による再認証を免除し、市販後監視は各国当局が行う。
欧州委員会に対し、安全な既存機器を製造する中小企業向けの移行期間延長を許可するよう要請。
これにより、保健当局が実績のある機器の利用を維持する役割を強化できる。
製造業者や輸入業者と同様に、すべての流通業者を欧州の医療機器データベースに登録義務化。
越境eコマースでのトレーサビリティを向上させ、不安全な製品の市場流入を困難にする。
報告書は、MDRに賢明で的を絞った変更がなければ、欧州は革新的な家族経営のメーカーと、日常的な歯科治療を支える実績のある材料を失うリスクがあると結論付けている。
元記事:Manufacturers and associations call for changes to EU medical device regulation