カナダの研究者、患者が理解しやすい臨床研究同意書のためのガイドラインを発表

カナダの研究者、患者が理解しやすい臨床研究同意書のためのガイドラインを発表

カナダが臨床研究の同意説明書を理解しやすくするための新ガイドラインを発表

カナダの研究者たちは、臨床研究で使用される同意説明書を患者がより理解しやすくするための新しいガイドラインを発表しました。このガイドラインは、透明性を確保し、研究参加者の研究への関与に対する理解を深めることを目的とした75の核となる要素を記述しています。

ガイドラインの主な内容と目的

専門用語の平易化: 技術的または科学的な言葉を説明するか、可能な限り日常的な言葉に置き換えることを推奨。

視覚的補助の活用: 複雑な手順を説明するために、箇条書き、図、または表の使用を助言。

データ共有の明確化: 同意説明書が、識別可能な患者データを誰が、どのようなデータを、どこに、どのような目的で受け取るかを簡潔に記述することを提案。

同意説明書の短縮化: 「同意説明書を短縮し、理解を助け、より公平で多様性があり、包括的な研究参加を促すことを目指す」と、主要著者であるHolly Longstaff氏は述べています。短縮化により、翻訳費用が削減され、画像やビデオなどの参加者中心のコミュニケーションツールの使用が可能になります。

開発背景と期待される効果

本ガイドラインは、同意プロセスが「参加の利益と予見可能な危害の可能性を潜在的参加者が思慮深く評価する」ことよりも「合意への署名の形式的な収集」に還元されているという懸念から開発されました。2022年以降、Canadian Critical Care Trials GroupのメンバーがCanadian Institutes of Health Research (CIHR) のスタッフと協力して開発し、患者団体や医療グループとの協議、テンプレートのテスト、公開コメント募集を経て策定されました。

ガイドラインは、CIHRが資金提供する臨床研究プロジェクトの同意説明書に必要な要素を概説しており、CIHRのウェブサイトで公開されています。同意説明書の明確化は、医療研究の参加者層を広げる努力を助け、現在高所得・高学歴層に偏りがちな参加者を多様化することが期待されています。特に、「歴史的に排除されてきたグループに研究参加への新たな道筋を作る」ことが非常に重要であるとLongstaff氏は指摘しています。

留意点と今後の課題

既存の取り組みとの共存: この新しいガイドラインは、先住民組織やコミュニティがすでに持つ独自のテンプレートの選択を妨げるものではなく、彼らの自己統治とデータ主権が尊重されるべきとされています。また、業界スポンサーのニーズや、がんなどの特定の疾患領域で効果的に機能している合理化された同意テンプレートを代替するものではないことも認識されています。

米国の事例: 米国では、2019年に施行されたCommon Ruleの更新により、同意説明書の冒頭に主要な情報を簡潔に説明することが義務付けられましたが、初期のレビューではしばしばその目的が達成されていないことが示されています。

  • 補足の重要性: ワシントン大学のJames DuBois氏は、75項目を網羅する徹底した文書は重要であるとしつつも、「良い同意説明と、最も重要な点の短い、非常に読みやすい要約」が補足されるべきだと述べています。

元記事:Canadian Guidelines Seek Clarity in Research Consent Forms