神経疾患治療薬のメディケア支出、急増 – メドスケープ – 2025年10月30日

神経疾患治療薬のメディケア支出、急増 – メドスケープ – 2025年10月30日

免疫介在性神経疾患治療薬(DMTs)のMedicare Part Dにおける費用高騰

2013年から2022年にかけて、免疫介在性神経疾患治療薬(DMTs)の利用は比較的安定していたものの、Medicare Part Dの薬剤費全体に占めるDMTsの費用が急増したことが、新しい遡及的調査で明らかになりました。DMTsはMedicare Part Dの請求件数のわずか2%を占めるに過ぎませんが、全体の薬剤支出の41%を占めていました。

研究背景と方法論

研究者らは、2013年から2022年までのMedicare Part D Prescriber Public Use Filesを用いて遡及的経済評価を実施しました。対象は、多発性硬化症、視神経脊髄炎スペクトラム障害、その他の免疫介在性神経疾患に使用される63種類のDMTs(経口17種、注射27種、点滴19種)に関する2億6,900万件以上の請求で、総支出額は859億ドルに上りました。主要評価項目は年間DMT請求総数、総支払額、および請求1件あたりの平均支払額で、医療費および処方薬のインフレ調整が行われました。

主要な調査結果

2013年から2022年にかけて、DMT請求件数は4%増加したのに対し、DMTの総支払額は70%増加しました(P = .02)。

2022年には、請求1件あたりの平均支払額は、医療費インフレ調整後で29%増加(P = .003)、処方薬インフレ調整後で36%増加(P < .001)しました。

継続的に利用可能な29種類のDMTsでは、請求件数は15%減少しましたが、総支払額は60.5%増加しました(P < .001)。

特に、点滴製剤(infusible DMTs)の請求件数は264%と最大の伸びを示したのに対し(P < .001)、経口DMTの請求件数は55%減少しました(P < .001)。

  • 費用負担は、抗CD-20療法(P = .03)や免疫グロブリン療法(P < .001)などの高価な点滴生物学的製剤にシフトしています。

費用のシフトと政策提言

これらの結果は、DMTsが神経疾患に対するMedicare Part D支出の40%以上を占めるという不均衡な経済的負担を浮き彫りにしています。研究者らは、メーカーのリベートを超えた継続的な費用監視と、「Medicare Drug Price Negotiation Program」のような潜在的な政策介入の必要性を強調しています。

研究の限界

本研究はMedicare Part Dデータに依存しているため、対象が高齢者集団に限定され、民間保険加入者や若年患者の傾向を完全に反映していない可能性があります。また、疾患の重症度や治療反応に関する臨床情報が不足しており、メーカーのリベートや割引が考慮されていないため、実際の純支出額は報告値よりも低い可能性があります。

元記事:Medicare Spending Swells for Neurologic Therapies