専門職学位に非ず? 新連邦政策が看護師不足を悪化させる可能性 – Medscape – 2025年12月08日

米国における深刻な看護師不足と教育省の新政策による懸念

米国では、2022年以降に13万8千人の登録看護師(RN)が離職し、今後5年間で少なくとも40%が引退または離職を計画するなど、看護師不足が深刻化しています。このような状況下、米国教育省の新たな政策がこの危機をさらに悪化させる可能性が指摘されています。

高度看護プログラムの専門職学位からの除外

最近の教育省の規則制定会議において、修士(MSN)や博士(DNP)などの高度看護プログラムが「専門職学位」の定義から除外されました。これには医師助手、理学療法、作業療法、公衆衛生プログラムなども含まれています。

学生ローン資金への影響

この変更は、高度看護学位を追求するための学生ローン資金に直接的な影響を与えます。

  • 「Grad PLUS」学生ローンプログラムが廃止。
  • 2026年7月1日以降、大学院生への連邦学生ローン総額が従来の13万8,500ドルから10万ドルに制限されます。
  • 一方、専門職学位プログラムの大学院生に対するローン上限は20万ドルに引き上げられます。

この結果、多くの学生が高度看護教育から締め出されるか、より条件の悪い民間ローンに頼らざるを得なくなる可能性があります。米国看護大学協会(AACN)のデボラ・トラウトマン博士は、これが学生が経済的障壁のために高度看護学位を追求しない可能性を高めると懸念しています。教育省はローン上限の設定がプログラム費用の削減を促すと主張していますが、トラウトマン博士は「その証拠はない」と反論しています。

業界への広範な影響

高度看護プログラムが専門職学位リストから除外されることは、医療システム全体に深刻な影響を及ぼすと予測されています。

  • ケアへのアクセス低下: 農村部やサービス不足地域では、ナースプラクティショナー、認定登録麻酔看護師、認定助産師が重要なプライマリケアを提供しており、この政策が彼らの育成を妨げることで、国民の医療アクセスが損なわれる可能性があります。
  • 看護教員不足の悪化: 高度な学位を持つ看護師は看護教育機関の教員として不可欠です。2023年には、6万5千人以上の志願者が大学・大学院の看護プログラムへの入学を拒否されており、その最大の理由が教員不足でした。学生ローンへのアクセス制限は、教員不足をさらに深刻化させ、新たな看護師の育成数を制限することにつながります。
  • 医療従事者確保の不安定化: AACNは、この政策が高度看護プログラムへの登録減少、教員不足の悪化、学生の経済的負担増を通じて、医療従事者確保の安定性を損なうと警告しています。

業界からの反対と政策見直しへの期待

米国看護協会、米国看護アカデミー、米国看護リーダーシップ機構などの主要な看護団体は、この変更に反対し、高度看護学位を専門職プログラムリストに含めるよう求める声明を発表しています。トラウトマン博士は、世論の圧力と分野横断的な支援が教育省に現在の立場を撤回させることを期待しています。

元記事:A New Federal Policy Could Exacerbate the Nursing Shortage