気分障害に対する認知行動療法(CBT)とクエチアピン併用療法の有効性
研究概要
気分障害の治療において、抗精神病薬クエチアピンに認知行動療法(CBT)を追加することが、クエチアピン単独よりも優れた効果を示すか評価する前向き試験が2024年から2025年にかけて実施されました。100人以上の気分障害を持つ成人を対象とし、患者は以下の2群に無作為に割り付けられました。
クエチアピン単独群: 74名(平均年齢32歳、女性65%)
クエチアピン+CBT併用群: 74名(平均年齢31歳、女性69%)
併用群は、クエチアピンに加え、感情認識、行動活性化、思考の挑戦と置き換え、ソーシャルスキルの向上といったモジュールを含む週1回50分のCBTセッションを12週間受けました。クエチアピン単独群は、心理教育とセルフマネジメントからなる通常の治療を受けました。主要評価項目はNurses Global Assessment of Suicide Risk scale、副次評価項目は24項目ハミルトンうつ病評価尺度とSimplified Coping Style Questionnaireでした。
主要な結果
12週間の治療後、以下の点が明らかになりました。
自殺高リスク患者の割合: クエチアピン+CBT併用群では13%であったのに対し、クエチアピン単独群では30%と有意に低かった(P = .02)。
自殺リスクスコアと抑うつ症状の重症度スコア: 併用群で有意に低かった(それぞれ平均差 [MD] -1.7 および -6.5、両方ともP < .01)。
- 対処能力: 併用群では肯定的な対処スコアが有意に高く(MD 2.4)、否定的な対処スコアが有意に低かった(MD -2.3、両方ともP < .01)。
臨床的意義と限界
調査者らは、「CBTとクエチアピンの併用による臨床的利益は、薬物療法を受けている気分障害と自殺リスクのある患者には、疾患管理戦略を強調し対処スキルを高めるスキルベースの心理社会的介入も提供すべきであることを示唆している」と述べています。
本研究の限界としては、長期的な有効性分析の欠如により、対処能力と自殺リスクの改善の持続性が不明であること、また、単一施設設計と成人参加者への制限により、他の施設や年齢層への結果の一般化が限定される点が挙げられます。
情報源
本研究はKe Wang氏らが主導し、Journal of Psychiatric Researchに1月3日にオンライン掲載されました。
元記事:Better Outcomes With CBT Plus Quetiapine for Mood Disorders