スマートフォンアプリが写真から眼のがんを検出

スマートフォンAIアプリ「CaptureTumor」による眼表面悪性腫瘍の検出と診断の改善

概要

ユーザーが撮影した眼の画像を分析するスマートフォンベースのAIアプリ「CaptureTumor」は、眼表面の悪性腫瘍を専門家とほぼ同等の精度で検出しました。このアプリは、これまで未診断だった多くのがんを特定し、専門医への紹介経路を簡素化・迅速化することに貢献しました。

方法論

中国全土で非ランダム化臨床試験が実施され、個人が眼表面の悪性腫瘍を自己スクリーニングできるスマートフォンアプリが開発・検証されました。

2022年12月から2023年6月にかけて、テレビ、ソーシャルメディア、インターネット病院を通じて4歳から87歳までの614人(中央値46歳、女性49%)が参加し、最終分析には535人から805枚の画像が含まれました。

ディープラーニングモデルは、専門家が撮影した12年分の細隙灯顕微鏡画像で訓練され、アプリのフレーミング、フォーカス、露出チェックを通過したスマートフォン写真で微調整されました。

このアプリはWeChatミニプログラムとして展開され、リアルタイムの撮影ガイダンス、自動画像品質チェック、クラウドでの画像処理、24時間以内の臨床医によるアップロードレビュー、高リスク者に対する専門センターへの紹介機能を提供しました。

主要評価項目は、悪性病変と良性病変を区別するための受信者操作特性曲線下面積(AUC)でした。

結果

アプリは、前向きに収集された専門家による細隙灯顕微鏡画像でAUC 0.945を達成しました。実世界でのスクリーニングでは、AUC 0.977を達成し、感度89.3%、特異度95.9%を示しました。アプリ内撮影ガイダンスを使用した場合でも、悪性病変と良性病変を区別するAUCは0.905でした。

アプリは58件の紹介を促し、そのうち20件の悪性腫瘍が病理組織学的に確認され、19件が新規診断でした。これらのいずれも眼球や周囲の眼窩組織の摘出は必要ありませんでした。

アプリを使用する前の確定治療までの平均紹介回数が3.69回であったのに対し、アプリ経由での紹介後は1.02回に減少しました(P < .001)。アプリは、センターあたりの検出症例が5倍に増加すると予測しましたが、この予測にはさらなる検証が必要です。

臨床的意義と課題

招待解説の著者によると、この「閉ループ」モデル(公衆教育、AI誘導トリアージ、専門医紹介を統合)は、それ自体が注目すべき成果であり、稀な疾患の分散型スクリーニングにおける説得力のある概念実証を提供します。しかし、このツールの今後の成功は、「モデルが世界的に多様な患者集団にどれだけ一般化できるか」「どのコミュニティの誰がこの技術を利用するか」「見出しの性能数値が大規模な自律展開にどれだけ信頼性を持って移行するか」という3つの主要な疑問にかかっています。

制限事項

研究には非中国人対象者が少数しか含まれておらず、一般化可能性に限界があります。スマートフォンベースのスクリーニングは高齢者を取り残す可能性があり、年齢に配慮したアプリデザインが必要となるかもしれません。また、本研究は短期的なスクリーニング結果のみを報告しています。

元記事:Smartphone App Detects Eye Cancers From Photos