ERCPにおける超低レートパルス透視は放射線量を低減し、安全性と手技時間を維持
背景と目的
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)中の蛍光透視は放射線被曝を伴うため、被曝低減戦略の必要性が高まっています。本研究は、総胆管結石除去のためのERCPにおいて、透視パルスレートを低減することが放射線被曝に与える影響を評価しました。
研究方法
日本の病院で実施された後ろ向き前後比較研究で、総胆管結石除去のためにERCPを受けた173例が分析に含まれました。
標準レート群(2021年11月~2022年4月、n=91、平均年齢75.2歳):透視パルスレートを7.5パルス/秒(pps)に設定。
超低レート群(2022年6月~2022年10月、n=82、平均年齢74.9歳):透視パルスレートを1.0 ppsに設定。
画像診断は低線量設定(通常線量の35%)で行われました。評価項目には、総透視線量(空気カーマ)、透視時間、全体の手技時間、手技成功率、残存結石除去の必要性、有害事象発生率が含まれます。
主要な結果
総透視線量は、超低レート群で標準レート群よりも有意に低かった(中央値 2.13 mGy vs 7.80 mGy; P < .001)。
透視時間および手技時間に両群間で有意な差は認められませんでした。
多変量回帰分析により、超低レートパルス透視は総放射線量の減少と独立して関連していることが示されました(beta: -11.90; P < .001)。BMIと透視時間も総放射線量と関連がありました。
有害事象発生率、残存結石の必要性、手技成功率に両群間で差は認められませんでした。
結論と実践的意義
透視パルスレートを1.0 ppsに低減することは、ERCPにおいて患者の総放射線被曝を安全かつ効果的に減らす可能性があり、放射線量低減戦略の有効な要素となりうると著者らは述べています。
限界
本研究の限界として、放射線量が患者の線量のみを反映し、術者やスタッフの被曝は評価されていない点、画質の系統的な評価が不足している点、稀な有害事象の検出力が限定的である点が挙げられます。
元記事:Low-Pulse Fluoroscopy Tied to Reduced Radiation Dose in ERCP