骨密度(BMD)の骨粗鬆症治療薬臨床試験における代理エンドポイントとしての影響は?

骨粗鬆症治療薬開発における骨密度(BMD)変化の代替エンドポイントとしての意義と臨床的便益

骨粗鬆症治療薬の臨床試験において、骨折リスク減少をエンドポイントとすることによる高いコストが新薬開発の停滞を招いていました。これに対し、研究者たちは骨ミネラル密度(BMD)の変化を代替エンドポイントとして活用する可能性を模索しています。

SABREプロジェクトによるBMD変化の検証

Foundation for the National Institutes of Healthが管理するSABRE(Study to Advance BMD as a Regulatory Endpoint)プロジェクトは、この課題に取り組んでいます。

過去16件の臨床試験の分析により、24ヶ月時点の総股関節BMD(%THBMD)の変化(代替閾値効果、STE)が骨折リスクの良好な代替マーカーであることが確認されました。

具体的には、椎体骨折では1.43%、全臨床骨折では2.01%のSTEが、過去の試験結果を正確に予測できると判明しました。

臨床的便益の定量化:NNTの算出

FDAが特定の%THBMD値の臨床的便益を求めたことを受け、SABREプロジェクトは、24ヶ月時点の%THBMD値から3年間の骨折予防に必要な患者数(NNT)を算出しました。

25件の抗骨粗鬆症薬の臨床試験データ(ビスホスホネート、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、デノスマブなど)を分析。

NNTは椎体骨折で29〜67、全臨床骨折で73〜152の範囲でした。

NNTは、BMDの減少が大きいほど、またプラセボ群の骨折リスクが高いほど低い傾向にあります。高リスク患者におけるSTEでのNNTは、椎体骨折で約29、臨床骨折で約73と推定されます。

骨粗鬆症薬開発への影響と今後の展望

BMDを代替マーカーとして使用することは、製薬会社が骨粗鬆症新薬を開発する機会を大きく変えると期待されています。2019年以降、新薬がない状況が続いており、これは高額な臨床試験費用が一因でした。

過去にフッ化物治療で骨質悪化の懸念からBMDのみでの承認が困難になった経緯がありますが、現在では前臨床研究での骨質分析が進んでおり、この懸念は軽減されています。

  • FDAは2022年にBMD使用のバイオマーカー認定計画を承認し、Entera Bioのフェーズ3臨床試験ではBMDを主要エンドポイントとして既に承認しています。これにより、FDAがSABREプロジェクトの代替エンドポイントを承認することへの大きな期待が寄せられています。

元記事:What Is BMD’s Impact as a Surrogate Osteoporosis Endpoint?