アトピー性皮膚炎の小児におけるメラトニン使用の実態:自己判断が多く、効果は一貫せず
調査概要と方法論
ボストン小児病院で実施された介護者102人を対象とした横断調査により、アトピー性皮膚炎(AD)の小児におけるメラトニン使用の実態が明らかにされました。ADの診断時年齢中央値は1歳未満で、対象児の睡眠障害スコアは一般小児集団より有意に高いことが示されました。合併症として不安(11.8%)、注意欠陥・多動性障害(7.8%)なども報告されています。メラトニンの有効性は、Patient-Oriented Eczema Measureなど複数の尺度を用いて評価されました。
メラトニン使用の現状
- 使用率: ADの小児の27.5%がメラトニンを使用していると報告されました。
- 年齢層: 生涯使用率は5〜9歳(46.4%)と14〜17歳(38.5%)で最も高かったです(P = .01)。
- 合併症との関連: 合併症を持つ小児では56.3%が使用しており、持たない小児の22.1%と比較して有意に高かったです(P = .012)。
- 製品形態と用量: 全てのメラトニン製品は市販されており、グミが最も一般的な製剤(85.7%)でした。用量範囲は0.5mg〜10mgで、中央値は3mgでした。
- 使用開始の経緯: 専門家の助言に従ってメラトニンを開始した介護者はわずか32.1%に留まり、50.0%は自己判断で開始していました。
介護者の認識と調査結果の矛盾
介護者の53.5%はメラトニンが睡眠に、32.2%は痒みに「非常にまたはある程度有効」であると報告しました。しかし、メラトニン使用者は非使用者と比較して有意に高い睡眠障害スコアを示し(P < .001)、毎晩同じ時間に就寝する傾向が低いことも判明しました(P = .039)。
専門家の見解と今後の課題
研究者らは、「メラトニンはADの小児に広く使用されており、自己判断での開始率が高く、用量に大きなばらつきがあり、有効性に関する介護者の認識は混在している」と述べています。睡眠障害に対するメラトニンの効果を明確にし、AD管理におけるその潜在的な役割をより良く定義するためには、ランダム化比較試験(RCT)や縦断研究を含むさらなる研究が必要であると強調しています。
調査の限界
本研究は単一施設でのデザインであり、介護者の報告に依存しているため、結果の一般化には限界があります。睡眠アウトカムは客観的に測定されておらず、中止理由も把握されていません。選択バイアスも結果に影響を与えた可能性があります。
元記事:Melatonin Use Common, With Mixed Benefits in Kids With AD