母親の声が胎児・未熟児の言語発達を促進:新たな研究結果
妊娠後期の胎児と母親の音声の関連性
妊娠後期、胎児は母親の会話を「盗み聞き」しており、母親の声が言語に不可欠な脳経路の発達を大きく促進することが新たな研究で示されました。
胎児の聴覚は妊娠24週頃から発達し始め、満期出産児は出生時に母親の声を認識し、両親の母国語を好むようになります。
早産児は早期に出生することで、この重要な脳成熟の機会を失っている可能性があります。
未熟児が新生児集中治療室(NICU)で過ごす間は、母親の声を直接聞く機会が減少します。
未熟児への音声曝露と脳発達の因果関係
研究者らは、入院中の早産児(8週間以上早く生まれた)46人の約半数に、母親が児童書を読む録音音声を数週間にわたり聞かせました。音声は夜間に10分間隔で合計160分間再生されました。
退院前に行われたMRIスキャンにより、母親の声を聞いた未熟児は、弓状束、特に左弓状束(言語処理に特化した脳領域)において有意な発達が見られました。
主任研究者のKatherine Travis氏は、「これは、スピーチ経験がこの非常に幼い時期の脳発達に寄与するという初の因果関係の証拠である」と述べています。
比較的短期間の音声曝露にもかかわらず、言語経路に明確な違いが検出されたことは、NICUにおける介入の重要性を示唆しています。
今後の展望と親への影響
研究チームは今後、医療合併症のある乳児への効果や、音声が脳発達に及ぼすメカニズムの詳細を調査する予定です。
NICU患者向けに、脳発達をより効果的に促進するための個別化されたプランの作成も進められています。
この介入は、親がNICUで過ごす赤ちゃんの脳発達に貢献できる方法を提供し、親のエンパワーメントにも繋がると期待されています。
対面での訪問や、肌と肌の触れ合い(カンガルーケア)も引き続き発達促進に推奨されます。
元記事:Mom's Voice Boosts Baby's Speech Development In The Womb
