この記事のポイント
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アストラゼネカは、喘息薬シンビコートのウェブサイトで、英国の喘息ガイドラインに反する不正確な治療法を推奨した。
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オルガノンは、避妊薬ネクスプラノンを、安全性と有効性が未確立な18歳未満の女性に対して承認外プロモーションを行った。
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両社とも、英国の製薬業界の行動規範に違反したとPMCPA(処方薬行動規範機関)に認定された。
アストラゼネカとオルガノン、英国製薬業界の行動規範に違反
アストラゼネカとオルガノンは、それぞれ喘息治療薬「シンビコート」と避妊薬「ネクスプラノン」のプロモーションにおいて、英国の製薬業界の行動規範を違反したと認定されました。
アストラゼネカの喘息薬に関する違反
PMCPA(処方薬行動規範機関)は、アストラゼネカ(AZ)が喘息薬シンビコートのウェブサイト上で、「英国の臨床ガイドラインによると、12歳以上の新規診断喘息患者は全員、吸入ステロイド(ICS)とベータアゴニストであるホルモテロールを『as-needed』の抗炎症リリーバー(AIR)療法として処方されるべきである」と主張したことでコードを違反したと認定しました。
医療従事者からの苦情により調査が開始され、この記述が全国的な喘息ガイドラインを正確に反映しておらず、患者には低用量維持・リリーバー療法(MART)も提示されるべきであることが指摘されました。さらに、MARTの省略によりより重度の喘息症状の患者が害を被る可能性があるとの懸念もPMCPAによって支持され、これが不適切な治療につながる可能性が指摘されました。
AZは「意図しない誤り」であったことを認め、「ガイドラインに沿って、高症状の患者の一部にはまず低用量MARTを提供すべき」と述べました。しかし、患者の安全が危険にさらされたという見解には同意しませんでした。
オルガノンの避妊薬プロモーションに関する違反
一方、オルガノンは、長期作用型可逆的避妊薬(LARC)「ネクスプラノン」(エトノゲストレル)を承認外適応症でプロモーションしたとして問題視されました。特に、ウェビナーにおいて、18歳未満の女性における有効性と安全性が確立されていないにもかかわらず、「あらゆる年齢のティーンエイジャーの妊娠予防に適切な選択肢である」と示唆した点が指摘されました。
オルガノンは、ビデオに「ネクスプラノンは18~40歳の年齢層での使用が認可されている」という「明確な記述」が含まれていたと反論しました。しかし、PMCPAは、18歳未満の妊娠に関するデータ提示や、この集団におけるLARCの利点に関する言及はオフラベルプロモーションに当たると判断しました。また、認可年齢範囲への「小さな言及」は、ネクスプラノンがあらゆる年齢のティーンエイジャーの妊娠予防に適切な選択肢であるという誤解を招く印象を打ち消すものではないと結論付けました。
