大塚製薬、IgA腎症治療薬VoyxactのFDA承認を獲得、競争激化市場に参入

大塚製薬のIgA腎症治療薬「Voyxact」がFDA承認、競合に先駆け市場へ

大塚製薬は、そのIgA腎症(IgAN)治療薬Voyxact(シベプレンリマブ)が米国食品医薬品局(FDA)の承認を獲得したと発表しました。これにより、混雑しつつある市場に参入し、競合であるVera Therapeuticsに先駆けて承認を得ることになりました。

承認された薬剤と適応

Voyxactは、抗APRIL抗体であり、進行リスクのある原発性IgANの成人患者におけるタンパク尿の減少を目的として米国規制当局に承認されました。

月1回の皮下注射で投与され、米国で承認された初のAPRIL標的薬となります。

承認の背景と臨床データ

FDAの決定は優先審査の結果であり、大塚製薬は、APRIL領域における最も近い競合であるVera Therapeutics(デュアルBAFF/APRIL阻害剤ataticeptを開発中)よりも数ヶ月早くVoyxactを市場に投入できることになります。

Voyxactの迅速承認は、フェーズ3 VISIONARY試験における肯定的な結果に基づいています。この試験では、月1回自己投与により、9ヶ月時点でタンパク尿が51.2%減少したことが示されました。

タンパク尿は腎機能のマーカーであり、IgANにおける薬剤活性の代替マーカーです。IgANは、抗体が腎臓に蓄積し、炎症や瘢痕を引き起こし、慢性腎臓病(CKD)につながる可能性があります。

完全承認には、Voyxactが腎機能の低下も遅らせることを実証する追跡データが必要となります。

IgA腎症治療市場の現状と今後の展望

IgAN治療市場は、2021年にCalliditas TherapeuticsのステロイドベースのTarpeyo(ブデソニド)がFDA承認を受けるまで、承認された治療法が存在しませんでした。それ以降、以下の3つの治療薬が市場に投入されています。

Travere TherapeuticsのFilspari(スパルセンタン、エンドセリン-1/アンジオテンシン-2阻害剤)

NovartisのFabhalta(イプタコパン、Factor B阻害剤)

NovartisのVanrafia(アトラセンタン、エンドセリンA受容体拮抗薬)

また、Novartisの抗APRIL薬zigakibartがフェーズ3試験段階にあるほか、以下の複数の薬剤がIgAN治療薬として後期開発段階にあります。

AstraZenecaのUltomiris(ラブリズマブ、補体C5阻害剤)

Vertexのpovetacicept(BAFF/APIL拮抗剤)

Ionis/RocheのIONIS-FB-LRx/RG6299(アンチセンスベースのFactor B阻害剤)

  • Biogenのfelzartamab(抗CD38抗体)

大塚製薬は、標準治療にもかかわらず患者が末期腎疾患に進行する可能性があるため、IgANに対する新たな治療法の必要性が依然として高いと述べています。米国IgA腎症財団の共同創設者であるBonnie and Ed Schneider氏は、「IgANを管理している患者にとって、新しい治療選択肢があることは重要です」とコメントし、Voyxactの迅速承認を歓迎しました。

元記事:Otsuka joins IgAN market with Voyxact approval in US