AIが小児肥満対策のために子供の噛む回数をカウント
2025年10月、小児肥満対策として、人工知能(AI)を活用した「噛む回数カウンター」の開発が進められていることが発表されました。このシステムは、子供たちが食事中に噛む速度を追跡し、速度を落とすよう促す可能性を秘めています。
肥満リスクと食事速度
研究者たちは、子供が食事や軽食中に噛む速度が速いほど、肥満を発症するリスクが高まると指摘しています。しかし、子供たちが食事の速度を落とすための様々な方法を研究することは、研究者がビデオをレビューし、各噛む回数を記録する必要があるため、時間と労力がかかる課題でした。
AI「ByteTrack」の開発と現状の精度
大規模な研究を可能にするため、研究者たちは、子供の食事中の噛む回数を数えるAI「ByteTrack」を開発しました。
このシステムは現在、人間のカウンターと比較して約70%の精度を持つとされています。
AIは、政府資金提供の過食に関する研究ビデオ(7〜9歳の94人の子供がそれぞれ4回食事をする様子を記録した1,440分間の映像)で学習しました。
- AIは子供の顔を識別する際には97%の成功率を示しましたが、すべての噛む回数を識別する精度は70%でした。
精度低下の課題と今後の展望
主導研究者のヤシャスウィニ・バット氏によると、AIの精度が低いのは、子供の顔がカメラの視界に完全にない場合や、子供がスプーンを噛んだり、食べ物で遊んだりする、子供に特有の行動が原因であると説明されています。スプーンを噛む動作が「噛む」と誤認識されることもあったとのことです。
ペンシルベニア州立大学の栄養科学部長であるキャスリーン・ケラー氏は、食べる速度が速いと消化器系がカロリーを感知する時間がなく、満腹ホルモンが時間内に分泌されず、過食や肥満につながると述べています。噛む回数は、子供の食行動介入の重要な指標となっています。
研究チームは、AIがリアルタイムで正確に噛む回数を識別できるよう開発を進めており、将来的には、子供たちが健康的な食習慣を生涯にわたって身につけられるよう、食事の速度を落とす時期を警告するスマートフォンアプリの提供を目指しています。
