FDA諮問委員会、アストラゼネカの経口SERD「カミゼストラント」の承認を否決
FDAの腫瘍薬諮問委員会(ODAC)は、アストラゼネカの経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)であるカミゼストラントについて、6対3の票差で承認に反対する結論を下しました。
否決の理由と背景
対象疾患: ESR1変異を有するHR陽性HER2陰性乳がんの一次治療。
提案された治療法: CDK阻害剤(イブランス、キスカルリ、バーゼニオス)との併用療法。
SERENA-6試験の結果:
病勢進行または死亡のリスクを56%減少させたものの、全生存期間(OS)の統計的に有意な改善が見られなかったことが主要な問題点となりました。
ODAC委員は、確立された臨床慣行の変更を提案する以上、OSの利益が必要であると示唆しました。
FDAの評価: FDAの審査文書も、ESR1変異検出時にカミゼストラントを投与する戦略の臨床的利益を示す十分な証拠がないと指摘しています。
アストラゼネカの反応: 同社は結果に失望しつつも、SERENA-6試験の結果に自信を持ち、薬剤の安全性と有効性を強調しています。
今後の見通し:
今後のASCO会議でのSERENA-6追加データの発表や、ESR1変異の有無に関わらず全HR陽性乳がん患者を対象としたSERENA-4試験の結果が重要視されています。
欧州、日本など他国での規制当局による審査は継続中です。
既存の経口SERD: 現在、経口SERD薬としては「オルセルデュ」と「インルリヨ」が、ESR1変異を有するHR陽性HER2陰性乳がんの二次治療として承認されています。
アストラゼネカのAKT阻害剤「トルキャップ」は前立腺がんで支持される
一方、ODACはアストラゼネカのAKT阻害剤トルキャップ(capivasertib)については、7対1の賛成多数で支持する決定を下しました。
承認支持の理由と背景
対象疾患: PTEN欠損転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)。
治療法: ジョンソン・エンド・ジョンソンのザイティガ(アビラテロン)とアンドロゲン除去療法(ADT)との併用。
CAPItello-281試験の結果: プラセボと比較して、放射線学的疾患進行または死亡のリスクを統計的に有意な19%減少させました。
トルキャップの既存承認: トルキャップは既に再発または難治性のHR+/HER2-進行乳がんで承認されています。
疾患の特徴: このタイプの前立腺がんは進行が早く、治療選択肢が限られていることが知られています。