米国、臨床試験のリーダーシップ回復へ「Operation Trailblazer」を始動
米国は、世界のバイオ医薬品研究開発の中心が中国へと移行する脅威に直面し、「臨床試験における米国のリーダーシップ回復」を目指す協調的な取り組みを開始しました。米国保健福祉省(HHS)は、「Operation Trailblazer」と題した一連の措置を導入し、医薬品研究の加速、臨床研究への参加の増加、および国内研究能力の強化を図ります。
背景と課題
米国は、科学的なR&Dにおいてはいまだ優位性を保っているものの、中国は科学的発見を医薬品へと転換する速度、規模、コストにおいて先行しています。世界の臨床試験開始数における中国のシェアは、2009年の1%から昨年は32%にまで増加しており、初期段階の臨床研究の海外流出がHHSによって認識されています。HHSは、この傾向を逆転させ、米国を臨床研究と医学的発見の「好ましい目的地」とすることを目指しています。
主要機関の役割と具体的な対策
HHSのイニシアチブは、以下の主要機関が実施を担います。
FDA(食品医薬品局):
ファースト・イン・ヒューマン臨床試験を迅速化するパイロットプログラムの開発。
初期試験期間を6〜12ヶ月短縮する措置。
医薬品承認に必要な主要(pivotal)試験数を2つから1つに減らす計画。
NIH(国立衛生研究所):
AI、ヒト細胞ベースモデル、リアルワールドデータなどの分野における臨床試験支援の強化。
医薬品開発者向けの実践的ツールの開発。
ONC(国家医療情報技術調整室):
- 電子カルテを通じて患者と臨床試験をより良く結びつける方法の模索。
さらにHHSは、学術機関、医療システム、規制当局、産業界間のパートナーシップを通じて、有望な治療候補の臨床研究を加速するための適格な研究機関ネットワークの構築も目指しています。
今後の展望
HHSは、この取り組みの成功には米国全体の研究機関がプロセスの合理化に貢献する必要があると強調しています。また、EU、英国、日本も同様の臨床研究セクター回復戦略を発表しており、今後数年間で国際的な研究競争が激化することが予想されます。
元記事:HHS details plan to regain the US's edge in clinical trials