ノバルティスの2024年第2四半期業績:売上高回復と成長戦略
ノバルティスは、第1四半期の売上高1%減から回復し、第2四半期には売上高が3%増加しました。総売上高は144億ドルに達しました。
成長製品がEntrestoの減収を相殺
心不全治療薬Entresto(サクビトリル/バルサルタン)のジェネリック競合により、売上高は50%減の12億ドルとなりましたが、以下の成長製品がその減収を補いました。
- Kisqali(リボシクリブ):乳がん治療薬。早期病期への適用拡大により43%増の約17億ドル。
- Kesimpta(オファツムマブ):多発性硬化症治療薬。
- Pluvicto(¹⁷⁷Luビピボチドテトラキセタン):前立腺がん放射性医薬品。
- Scemblix(アシミニブ):白血病治療薬。一次治療への適応拡大。
- Rhapsido(レミブルチニブ):慢性蕁麻疹治療薬。
- Itvisma(オナセムノゲンアベパルボベク):新規の髄腔内脊髄性筋萎縮症(SMA)遺伝子治療薬。既存のZolgensmaの対象患者を拡大。
これらの製品に加え、コレステロール低下薬Leqvio(インクリシラン)や希少腎疾患治療薬Fabhalta(イプタコパン)は、それぞれ30億ドルから100億ドルのピーク売上高ポテンシャルを持つとされています。
パイプラインの進捗と将来の展望
CEOのヴァス・ナラシンハンは、早期乳がんにおけるKisqaliの全生存期間データの更新や、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬del-zotaのFDA迅速承認申請など、パイプラインの重要な進捗を強調しました。同社は下半期に複数の重要なデータ開示を予定しており、通期ガイダンスおよび中期見通しを達成する見込みです。通期の売上高および営業利益は、低一桁成長を予測しています。
特許の崖とM&A戦略
Entrestoの市場独占権喪失に加え、がん治療薬Tasigna(ニロチニブ)や血小板増強薬Promacta/Revolade(エルトロンボパグ)もジェネリック競合に直面しています。さらに、2030年までにKisqaliおよび乾癬治療薬Cosentyx(セクキヌマブ、第2四半期に10%増の18.2億ドル)の特許保護も失効する予定です。
ノバルティスは、これらの特許切れに備え、今年に入ってからAvidity Biosciences、Pikavation Therapeutics、Excellergy、Myricx Bioなどの買収を完了または合意することで、戦略的なポートフォリオ強化を進めています。