AIが薬剤耐性肺炎球菌に対する新規治療薬候補を特定
AIによるドラッグリポジショニング戦略
インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームは、AIアルゴリズムを用いて、薬剤耐性菌である肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)に対する新規薬剤候補を特定しました。既知の活性・不活性薬剤で訓練された3つのAIアルゴリズムが、約7,000の承認済みまたは治験中の薬剤から11の候補を選出しました。
候補薬剤の有効性
選ばれた11の候補抗生物質のうち、9つが試験管内試験で肺炎球菌の増殖を強く抑制することが判明しました。特に、現在獣医学でのみ使用されているセファロスポリン系のチオストレプトンは、多剤耐性(MDR)株に対しても高い効力を維持しました。
抗菌薬耐性(AMR)への対策としてのAIの役割
研究チームは、AIガイドによるドラッグリポジショニングが抗菌薬耐性(AMR)対策、特に既知の活性分子が存在する病原体に対して強力な戦略であると指摘しています。肺炎球菌のAMRは、肺炎、髄膜炎、敗血症などの重篤な感染症の治療を脅かす世界的な公衆衛生上の懸念であり、世界保健機関(WHO)も多剤耐性肺炎球菌を緊急の優先事項と位置付けています。
従来の治療薬であるベータラクタム系やマクロライド系への耐性が広がり、増加している中で、AIの活用は新規治療法開発の時間とコストを削減し、失敗のリスクを低減します。本研究は、AIを肺炎球菌に対する薬剤リポジショニングに展開した初の試みであり、複数のAIモデルの使用が候補薬剤選択において相互補完的であり、個別よりも効果的であることを示しました。著者らは、AIモデルが新規薬剤の特定やリポジショニングの可能性が最も高い薬剤の合理的な選択に利益をもたらし、AMR分野において迅速かつ費用対効果の高い戦略であると強調しています。
元記事:AI spots drugs that may be repurposed for priority pathogen