世界最高齢者から学ぶ長寿の秘密
2024年8月に117歳で亡くなった世界最高齢者マリア・ブラニャス・モレラは、「私を研究して、他の人々を助けてください」という熱烈な願いを残しました。バルセロナ大学医学部の遺伝学主任であるマネル・エステラー博士らは、彼女の人生を研究し、その結果を「Cell Reports Medicine」誌で報告しています。
長寿に貢献した複数の要因
研究者たちは、ブラニャスが長寿を達成した要因として、以下の複数の要素が複合的に作用したことを明らかにしました。
- 健康的なライフスタイル: 地中海食を実践し、過剰な脂肪や加工糖分を避けました。また、定期的にウォーキングを行い、タバコやアルコールは摂取しませんでした。
- 有益な腸内細菌: ヨーグルトを多く摂取したことで、腸内細菌叢にビフィズス菌が豊富に存在していました。この菌は炎症を抑える効果があり、老化の加速を抑制すると考えられています。
- 遺伝的要因: 遺伝子解析の結果、彼女は高コレステロール値、心臓病、がん、認知症のリスクを低下させる遺伝子変異を保有していることが判明しました。
エステラー博士は、「健康な老化は、単一の大きな特徴ではなく、多くの小さな要因が連携して働く、非常に個別化されたプロセスであることが判明しました」と述べています。
研究の意義と専門家の注意
この研究は、健康な長寿につながる特性を明確に示し、将来的に薬剤開発の新たな標的となる可能性のある特定の遺伝子を特定するのに役立ちました。
しかし、ハーバード公衆衛生大学院の疫学教授であるイマキュラータ・デ・ヴィヴォ氏など、他の専門家は、単一の個人の生涯から確固たる結論を導き出すことには慎重であるべきだと警告しています。遺伝とライフスタイルは健康に寄与するものの、「疾患の原因は一般的に絶対的なものではなく、確率の問題」であり、ブラニャスのような長寿には運の要素も大きく関わっていると指摘されています。